「子どもにスマホを持たせる前に一度考えてみてください」
- 公開日
- 2021/07/02
- 更新日
- 2021/07/02
学校行事・できごと
LINEをはじめSNSを用いての伝達ツールがますます進歩を遂げ、写真や動画などの大容量のデータも瞬時に友だち個人や仲間、そして全世界の不特定多数の人に向けて発信できるわけです。AIの発達やビッグデータのとどまることのない肥大化。一見すれば来たるべき未来に備えての豊かさ・便利さの追求が、これらIT部門の飛躍的発展につながっているのでしょう。
しかしながら、人間が思考・判断力までもAIに委ねることがあってはならないことだと思います。しっかり人間が過去の経験を活かし、自分で考え、最善の方法を探ることが一番賢明なことだということに、やがて気づく時がやってくることでしょう。
現実問題としてスマホやパソコンが身近な存在となりました。大阪市の中学生での自分のスマホを所持している人が、82.8%。高校生ともなりますと94.1%。大人を上回る所持率となっています。年配の方で使わない人や仕事で必要であるからやむを得ず持っているという大人もいて、その利用目的もさまざまです。LINEでのメール、スマホゲーム、You Tube動画の閲覧などが中心でしょうか。
最近、スマホやインターネットを含むSNSがらみの事件やニュース、すなわち個人のプライバシーを侵害するものから、誹謗中傷、脅迫メールなど犯罪に直結する事案が数多く発生しています。子ども間でのメールによる「いじめ」がもとで、生命にかかわるケースも増えています。
文字や発言に関して、中国古代の書物「易経」という書物の中に「書は言を尽くさず、言は意を尽くさず」という名言があります。これは、「書物というものは、著者の言葉すべてを書き連ねてはいないし、また、思いや考えを完全に言葉に置き換えること自体も不可能である。」ということです。簡単に言いますと、普段やり取りしているメールの短文からは、「相手の言いたいこと伝えたいこと、思いや考えを完全に理解することはできない。」ということです。言葉の行き違いや、誤解からいじめやトラブルにつながるケースにならないか、犯罪につながるケースにならないか、保護者の方々も先生方も心配するところです。
なりすましメールや詐欺メールなど意図的に相手を欺くケースもたくさんあり、そういった被害に遭わないためにも、メールのやりとりでなく、「友だち同士、表情を見ながら会話をはずませる。」「学校で友だち同士、心の扉を開いて語り合う。」こういった方法で安心して、友だちの輪をもっともっと広げていってほしいものです。