視聴覚部

R8 視聴覚部

【部長挨拶】

 昨年度に引き続き、視聴覚部長を拝命いたしました、内代小学校長の原田 哲次と申します。本研究会では、視聴覚教育・放送教育の推進のため、ICT機器を効果的に活用した研究活動に取り組んでいます。どうぞよろしくお願いいたします。
 生成AIの急速な普及は、学校教育における「個別最適な学び」や「教職員の業務軽減」、「AIとの対話を通した新しい学びのスタイル」など、教育を変革する大きな可能性を秘めた動きであると思われます。しかし、専門家からは「不正利用・認知依存の懸念」や「情報リテラシー教育の課題」、「デジタル格差」など山積する課題に十分な備えができないまま、学校教育は時代の流れに押し流されるのではないかと、危惧する声も聞かれます。
 また、次期学習指導要領に対し、文部科学省は中教審教育課程企画特別部会の中で、「総合的な学習の時間」に「情報の領域」を付加する方針を提案しました。今後、中教審の審議の中で議論されていきますが、おそらく小学校段階において「情報活用能力」の育成を目的とした総合学習が行われるようになると予想されます。また、「学習の基盤となる資質・能力」の一つである「情報活用能力」は、「情報技術を適切に活用する能力」とし、「言語能力」との重複を避ける方向が示されました。これらの背景にあるのが生成AIによる技術革新であり、世界の学力調査がペーパーテストからCBTに全面移行していることに象徴されます。つまり、「情報活用能力」なくして、学習を進めていくことが困難な状況に直面しており、是が非でも能力向上をめざさなければならないというのが日本の教育の現状ではないでしょうか。
 本研究会では、このような状況を踏まえ、果たすべき役割を強く認識しながら、子どもたちの「情報活用能力」の向上をめざして、以下の研究主題を設定しました。また、これまでの研究実績の積み重ねを大切にしながら、個別最適な学びと協働的な学びの機会を踏まえ、主体的に情報を収集し、活用する児童の育成に邁進してまいります。
 今後とも本研究会の研究活動について、ご支援とご協力賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

令和8年吉日
大阪市小学校教育研究会 視聴覚部長
大阪市立内代小学校長 原田 哲次

研究主題

探究的な学びを追究する児童の育成
〜情報活用能力を活かした問題解決を通して〜

主題設定の理由

「令和7年度 全国学力・学習状況調査」の結果より、大阪市の児童の主体的な課題解決や学びの調整への肯定感は向上傾向にあるものの、全国と比べて未だ低調であることが明らかとなった。また、教員への質問紙調査の結果からも、児童が主体的に課題解決に取り組むことや、情報活用能力育成に向けた実践を行うことに依然として課題があることが確認されている。 前年度までの研究成果として、段階的な指導やチェックリストの活用により、児童が情報を活用する姿や学習計画シートを用いて学びを調整しようとする姿が見られ始めた。しかしその一方で、情報活用能力の育成場面が明確に定義づけられておらず活動イメージが持ちにくい点や、自らの学びを調整できたかを明確に評価する手立てや場面の設定に課題が残されている。
 文部科学省の教育課程部会(生活、総合的な学習・探究の時間ワーキンググループ)の動向によると、「主体的に学習を調整する力」を育成するためには「探究的な学び」の視点を重視した授業づくりが不可欠であり、探究的な学びの質の向上が主体性や調整する力の向上に直結するとされている。とりわけ、探究の質を評価し深める観点として「課題の質」「プロセスの質」「成果の質」の3点や、試行錯誤しながら課題解決を図る姿に整理することが提言されている。

 そこで視聴覚部では、これまで取り組んできた情報活用能力の育成やそれを活かした課題解決、学びの調整を図る試行錯誤の場面をさらに充実させることが、探究の質および成果の質の向上につながると考えた。 本年度は、探究的な学びにおけるプロセスの質の向上や、児童が試行錯誤を自ら進んで行う場面の実現を目指し、情報活用能力の定着を図る取り組みや、身に付けた情報活用能力を活用した探究的な学びによって、児童が主体的に学ぶ意識を向上させることを目指して、次の3つの視点から研究を推進する。

1.習得・活用した情報活用能力を生かして、さらに探究的に学ぶための取り組みの検討

2.児童が学習の進め方を工夫して、過程を振り返ることで、学び方を調整するための工夫

3.児童が進んで試行錯誤し、探究の質を高めようとするための教材(生成AIや先進的なアプリ等の活用を含む)の開発

 なお、教員間におけるICT機器の活用推進や指導力の差を解消するため、今年度は公開授業にとどまらず、汎用性の高い授業実践を動画やスライドとしてパッケージ化して全市へ発信・研修を行う。これにより、本市教員および児童のさらなる資質・能力の向上を図るものである。

研究の概要

1.部会の構成とねらい

 学習者用端末を活用した「教科横断的に取り組む授業実践」と、それらを支える「教員の情報活用能力における資質向上」を2つの柱として研究を進める。 本年度は、全研究部員が具体的な実践方法の検討・検証およびアンケート分析を行う「授業実践部会」と、有志により習得・活用・探究の各場面に応じた研修の企画や発信を担う「研修部会」の2つの部会を編成し、それぞれの役割を有機的に連携させて研究を推進する。

2.研究の視点

(1) 習得・活用・探究の場面に応じた教科横断的な授業の構築 児童の主体的な学びや調整する力を高めるため、情報活用能力の「習得」「活用」「探究」の各場面を明確に位置づけた年間指導計画を作成し、教科横断的に情報活用能力を育成する授業を構築する。

(2) 児童が自ら試行錯誤し、学び方を調整するための手立てと教材の開発 児童が学習計画シートやチェックリスト等を用いて過程を振り返り、学習の進め方を工夫できる手立てを検討する。また、探究の質を高めるために、生成AIや先進的なアプリ、技術を活用した事例や教材を創出する。

(3) 多様なニーズに応じた実践事例のパッケージング発信と全市展開 公開授業の実施に加え、今年度は授業の流れを示したスライドや実践動画などを汎用性の高いコンテンツとして「パッケージング」して発信を行う。参加者の実態やニーズに応じた幅広い実践を全市に向けて発信・研修することで、本市教員の指導力向上を図る。

 

主な活動

・公開授業の実施
・総合研究発表会における実践発表・講演会の実施
・近畿ICT教育研究会への参加
・大阪府放送視聴覚教育研究会・2026 年度(令和 8 年度) 第 30 回 視聴覚教育総合全国大会 兼 第 77 回 放送教育研究会全国大会 兼  2026 年度(令和 8 年度) 近畿放送・視聴覚教育研究大会合同大会(大阪大会)への参加

・近畿放送・視聴覚教育研究協議会・への参加 

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資料

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