第74回卒業証書授与式【答辞】
- 公開日
- 2023/03/15
- 更新日
- 2023/03/15
お知らせ
桜の蕾が膨らみ始め、春の訪れが感じられる今日という良き日に私たち74期生のためにこのような卒業式を挙行していただき、誠にありがとうございます。
先輩たちとお別れをした一年前から、あっという間に月日が流れ、今日、3月14日、私たちは、桜宮中学校を卒業します。
「自分と仲間を大切にしよう」という学年目標から始まった、私たちの三年間。
思い返せば、三年前の入学式、初めてのセーラー服、学ランに恥ずかしさを覚えながら、これから始まる中学校生活への期待と不安を胸に校門をくぐりました。
しかし、新型コロナウイルス感染症が流行しており、マスクの着用を余儀なくされました。
そのため、みんなで撮った写真はマスクを着けているものが多く、表情が隠されてしまうこともありました。
コロナの拡大による学校生活への影響はとても大きなものでした。
給食時は班にならず、教卓の方を向いての黙食、入学してすぐ約二か月間の休校期間、分散登校、など、私たちが経験したことがない事態が起き、大きな不安を抱えていたのを今でも覚えています。
しかし、そんな不安も忘れさせてくれるくらいの、楽しい中学校生活が私たちを待っていました。
入学して、初めての大きな行事である、一泊移住。
一泊移住では一人ひとり責任感を持って行動することの大切さを学びました。
新しい友達と力を合わせたカッター訓練。
仲間と協力して、一つのことを成し遂げられた時の喜びは言葉には言い表せないほどの達成感に満ち溢れていました。
沖縄県の地上戦をテーマにした「群青の島」。
舞台に立つ人、衣装や展示物を作る係に分かれ、一人ひとりが自覚をもって、また、仲間と協力し合い、素晴らしい舞台発表を作り上げることができました。
「群青の島」の主人公である、吉村彰さんが私たちの前で辛かった戦争体験のご講演をしてくださった際には、時に涙をうかべ、お顔を手でおおわれている姿が見られました。
当時は私たちにとっての当たり前が、当たり前ではなかったのだなと改めて思いました。
こんなことは二度と起こってはいけない、今度は私たちが後世につなげていきます。
沖縄県への修学旅行。
一年生の時から調べ学習を重ねてきました。
実際にガマの中へ入ったとき、当時の人たちはこんな暗い場所で生活せざるを得なかったのだな、と心が痛みました。大きくて綺麗な海でバナナボートに乗ったり、カヤックを漕いだりなど、一生忘れられない楽しい思い出となりました。
部活動では、最初は先輩との人間関係など上手くやっていけるか不安でしたが、振り返ってみれば先輩たちが優しく接してくれて、厳しい練習や、試合、コンクールなどでも一生懸命頑張ることができました。
良い結果を残せず悔し涙を流したあの日、練習の成果が実って歓喜に沸いたあの日、どんな日も強く印象に残っているでしょう。
私たちが生きてきたこの15年間。
嬉しいこと、楽しいこと、辛いこと、悲しいこと、たくさんありました。
そして隣には必ず、仲間がいました。
先生方がいました。
家族がいました。
74期生と過ごした日々。
たくさん笑って、話して、ぶつかって。
休み時間に大きな声で笑ったり、クラスのみんなで授業を受けたり、給食を食べたり、というような、当たり前の毎日が今日で終わってしまうのは悲しい気持ちもあります。
しかし、今から私たちが歌う、文化祭のエンディング曲としても使われた「群青」の中の
『今旅立つ日 見える景色は違っても遠い場所で君も同じ空きっと見上げてるはず』
という歌詞にもある通り、それぞれ違う道に進んでも私たちは強い絆で結ばれています。
体育大会、球技大会、百人一首大会、ダンス発表会などの、全員で一つのことに真剣に取り組んだことは私たちにしかない唯一無二の宝物です。
時には優しく、時には厳しく接してくれた先生方。
授業では分からないところを丁寧に教えてくださいました。
私たちにどうやったらもっとうまく伝えられるのか、面白さを知ってほしい、という熱意が一つ一つの授業から伝わってきました。
三年間、コロナ禍で行動が制限されてしまった中でしたが、先生方に工夫を凝らしていただけたおかげで、行事を全力で楽しむことができました。
ダンス発表会での、先生方の息の合ったパフォーマンスにはつい見入ってしまいました。
まだまだ未熟な私たちにとって、先生方は私たち生徒を支える柱のような存在です。
先生方の教えを活かして、社会に貢献できる人物になれるよう頑張ります。
たくさんの場面でご尽力いただいたこと、卒業生を代表して心より感謝申し上げます。
誰よりも一番近くで励ましてくれた家族。
反抗期である私たちはたくさん反抗して、たくさん迷惑をかけて、時には、やつあたりをしまったこともあったと思います。
それでも友達関係のことや進路などで私たちが悩んでいるときは、すぐに気づいて、相談に乗ってくれました。
勉強や部活動で疲れて帰ってきたときには温かいご飯を作って、私たちの帰りを待っていてくれました。
本当にありがとう。
少しずつでも、この恩を返していけるように私たちはこれからも成長し続けます。
どうか、これからも温かく見守っていてください。
在校生の皆さん、中学校生活三年間は本当にあっという間に過ぎ去っていきます。
進級して、クラスメイト、先生も変わり、環境が変わります。
もし辛いことがあっても、一人で抱え込んではいけません。
皆さんの周りには最高の仲間たちがいます。
遠慮せず、頼ってください。
必ず手を差し伸べてくれるはずです。
そして、この桜宮中学校の伝統ある歴史を受け継ぎ、悔いの残らないよう、一日一日を大切にしてください。
そして、失敗を恐れず、何事にも挑戦してください。
今日を境に私たちは、自分で選んだ道を進んでいかなくてはいけません。
その道は、けして平坦なものではないでしょう。
大きな壁にぶつかり、くじけてしまうこともあると思います。
「人間万事塞翁が馬」 ある先生が伝えてくれた言葉です。
幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないのだから、安易に喜んだり悲しんだりするべきではない。
これからの人生、うれしいことや楽しいことがたくさんあると思いますが、それが時に自分を苦しめることになります。
逆もまたあります。辛いことや悲しいことがあっても、ずっとそうなるわけではありません。
その経験が役に立ったり、良い形で返ってきたりするのです。
この言葉を胸に一歩一歩大切に前を向いて進んでいきます。
桜宮中学校のさらなる発展を願って、答辞とさせていただきます。