中村さんからの手紙
- 公開日
- 2013/07/19
- 更新日
- 2013/12/17
生徒会活動
四月、新入生が入ってくると、必ず、何人かの子が歳を尋ねに来ます。“あんたの歳にかける3”とか“4”とか、年々掛ける数が多くなってきます。(笑)八十五歳です。
皆さんのお父さん、お母さん時代から今迄約半世紀お世話になっております。こんなに長く南館にはびこる事ができましたのも皆様のおかげです。
頭の悪いおばちゃんに、計算はしてくれるし、釣銭まで数えてくれますし、また、手足が痛いのには道を譲ってくれるし、重い物を持つときは手をかしてくれるし、また、シャッターの上げ下げは殆んど手を借りております。それ以上に、毎日のパン、あれおばちゃんが「毎度おおきに」と各教室前へ配達、「ありがとうございます」とパン箱の回収に行くことはとうてい出来ぬ事。それを皆さんは手伝ってくれました。
家では縦のものを横へもしない大きい子からパン箱で隠れてしまいそうな子が、「御馳走さまでした」と返しに来てくれます。時々“胸きゅん”になるんです。代々の先生方のご指導とお父様お母様の躾かと感謝しております。
皆さんが毎日お世話になっている補助カバン、入れて覚えのないみじんぼこりがたまってるでしょう。
人間もちょっとこれくらいまあいいや、とルール違反、覚えあるでしょう。それが心にちりとしてたまってゆくのよ。(ないしょ)先生もたまってるかも?
巷にはパソコン、インターネット、等々出回ってます。同じボタンを押してもちりの少ない人が押せばノーベル賞をいただく人もいれば、ちりの多い人が押せば人に迷惑をかけ犯罪者にもなります。心次第で……。
ちりをためないよう、たまったちりは払いましょ。どうしたらいいかって、むつかしくないよ。日々にご両親、先生方への感謝を忘れぬこと。
六百人の皆さんのちりが少なくなれば緑中はますます栄えます。
校長先生、教頭先生をはじめ先生方には無理を言ったり迷惑をかけたり、お許しください。本当にありがとうございました。事務所の先生方、頼りない私の後始末、有難うございます。官吏作業員さん、このたびは随分とお世話になりました。助かりました。ありがとうございます。
卒業生のみなさん、本当に思い出せば話は尽きませんね。道で会えばよく声をかけていただいて、おおきに。お父様お母様、校下の皆さんに温かく見守られて本当に幸せ者です。
皆さんお元気で。
さようなら。
七月十九日
仲村 芳子