9月13日 全校集会
- 公開日
- 2021/09/13
- 更新日
- 2021/09/14
お知らせ
緊急事態宣言の9月末までの延長が決定されました。給食を調理していただいている安立小学校の臨時休校のお知らせがありましたので、今日の給食内容が変更になります。まだまだ不自由な生活が続きますが、がんばって過ごしていきましょう。
さて、今朝は、『強い』ということについて話をしたいと思います。皆さんは、『強い』という言葉でどんなことを思い浮かぺるでしょうか。
例えば建物では、どうでしょうか。丈夫な建物は、何でできていますか?コンクリートですか?鉄骨でしょうか。確かに鉄骨やコンクリートの建物は丈夫な建物だといえるでしょう。
また、ふつう大切なものをしまっておくときには、何に入れておきますか?金庫ですか。金庫も一般には分厚い鉄でできています。
日本は地震の多い国で、最近は、鉄やコンクリートでできた建物が一般的になっていますが、一方で、ずっと古くに建てられてからずっと長い間、その姿を保ってきた建物も多くあります。その多くは木造、つまり木でできています。
例えば、数々のお寺の塔がそうです。奈良の法隆寺や薬師寺の塔などは国宝に指定されています。これらの塔は、これまで干数百年の間に何度もあった大地震の際も、その大きなエネルギーに耐えてきました。お寺の塔は、真ん中にてっぺんまで通った一本の心柱を中心に、屋根なども木を巧みに組み合わせることで建てられています。地震の際には、真ん中の心柱がゆらゆら揺れながら、地震の力をうまく逃がすように建てられているのです。つまり、大きな衝撃を跳ね返すのではなく、うまく受け流すようにしているのです。この仕組みは、『柔らかい構造』と書いて『柔構造』と言われ、現代の高層建築にも取り入れられています。コンクリートや鉄で補強する仕組みの『耐震構造』に対して、『免震構造』とも言われます。
このことは、私たち人にも言えるのではないでしょうか。身体面では、トレーニングをして筋力を高めても、同時に関節の柔軟性が備わっていないと、むしろ強い筋肉が故障の原因となるため、筋力トレーニングと共に関節まわりの腱や筋肉を柔らかくするストレッチトレーニングの重要性がスポーツドクターに指摘されています。
またこころの面でも、日々のストレスや批判・攻撃に対して、「バン!」と跳ね返す『強さ』も必要ですが、時にはしなやかに攻撃やストレスをうまく受け流すことも、『強さ』の一つではないかと思うのです。そのようなようすを、昔の人は『柳に風』と表現しました。柳の木の枝は、細いが柔らかく、風に吹かれて揺れはするけれども折れることは決してありません。わたしたちの心も『柔構造』『免震構造』を備えておきたいですね。