鑑賞部会の実践(1)研究主題を受けて、鑑賞部会のテーマを「心に響く音楽の味わいをめざして―聴く喜びを大切にした活動―」とし、実践研究に取り組んだ。 [視点1] 鑑賞活動と共通事項の認識をリンクさせ、音楽のもつ楽しさや美しさを個 (2)[視点1]について (1)基礎的・基本的な能力を着実に育てる指導法の研究 実践例 1 教材「きらきら星」 フランス民謡 石桁冬樹編曲 3年 変奏曲形式になっている楽曲を聴き、リコーダーの音色や旋律の変化を感じ取ることで楽曲のよさを味わえるようにする。 ◯楽曲を聴き、「はじめ」「なか」「おわり」のそれぞれの部分について、思い浮かんだ星の様子を絵に表す。 ◯それぞれの部分について、「主旋律の音がどうなっているのか」に気をつけて聴き、意見交流をする。 ◯自分の気に入った部分や心にのこったことについてまとめ、発表する。 ★思い浮かんだ星の様子を絵に描くことで、楽しんで楽曲を聴くことができた。また描いた絵を交流することで、それぞれの感じ方の違いを共有することができた。 ★なぜ自分がそのような星の様子をイメージしたのか、その理由を音から見つけることで、子どもたちは旋律に集中して聴くことができ、音楽を特徴づける要素と曲想をリンクさせて考えていくことができた。 (2)表現・鑑賞活動と共通事項の認識をリンクさせた指導展開の工夫 実践例 2 教材「白鳥」 サン=サーンス作曲 4年 旋律や伴奏の音の動き、強弱、リズム、速度など音楽を特徴付けている要素に気をつけて聴くことにより、曲想とそれを生み出す旋律の特徴を感じ取るようにする。 ◯楽曲全体の感じをつかむ。 ◯旋律(チェロ)と伴奏(ピアノ)について、それぞれの旋律の動きを感じ取る。 ◯白鳥の様子を想像しながら楽曲を聴き、旋律と伴奏はそれぞれどのような役割をもっているのかを自分なりに考えまとめる。 ★図形楽譜を活用することにより、音の動きやリズムなどを聴き取ることが難しい子どもでも旋律の特徴を捉えやすかった。 ★旋律の特徴をつかんだことにより、チェロとピアノが白鳥のどんな様子を表しているのか、根拠をもとに言葉で表すことができた。 実践例 3 教材「白鳥」 サン=サーンス作曲 4年 旋律の特徴を感じ取りながら聴くことができるようにする。 ○音楽室に掲示してある「(曲の感じを表す)言葉の一覧」を参考に、曲の感じを短い言葉でメモする。 ○強さ・速さ・リズムの共通事項をはじめとする、曲の感じを生み出している音楽的な特徴の気付きについて発表する。 ○図形楽譜を指でたどりながら、旋律の音の上がり下がりについて着目する。 ○既習曲「陽気な船長」「ゆかいに歩けば」の旋律の特徴と比べながら、気付いたことを交流する。 ★既習曲でスタッカートの歯切れの良い感じと流れるようななめらかな感じの違いを表現できていたので、「白鳥」のなめらかさに気付きやすかった。 ★既習曲で強弱の表現に意欲的に取り組んでいたので、「白鳥」の微妙な強弱の変化にも注意して聴くことができた。 ★バイオリンとチェロの音色を比べる活動など、発展的な学習にするための創意工夫をしていく。 実践例 4 教材「アイネクライネナハトムジーク第1楽章」 モーツァルト作曲 「双頭のわしの旗の下に」 J.F.ワーグナー作曲 5年 いろいろな楽器の音が重なり合う響きを味わいながら聴くことができるようにする。 ○弦楽器の種類や大きさ、演奏の仕方、大きさによる音色の高さの違いを知る。 ○全曲を聴いて、印象に残った旋律を口ずさむ。 ○冒頭は全員が同じ旋律を演奏していることを聴いて確認する。 ○旋律の重なり方が変わるところを聴き取って挙手する。 ○部分聴取し、旋律の重なり方や感じたことについてワークシートに書く。 ○吹奏楽の演奏楽器について知り、弦楽合奏との響きの違いに着目して聴く。 ★旋律の重なり方を部分に分けて丁寧に聴き取っていくことで、旋律の重なり方の違いによって感じが変わっていくことに気付くことができた。 ★2曲を聴き比べることによって、楽器の音色による響きの違いを感じ取ることができた。 |