6年・キャリア教育〜テレビの仕事〜「テレビの仕事」は、この情報化社会の中で、ネットやモバイルの進化と連動しながらも、無くなることはありません。 NHK大阪でチーフディレクターを務める大北晶子さんに、ディレクターの仕事ややりがい、そして社会人になるまでの話を聞きました。 簡単な自己紹介のあと、 「私は小学校のころ、学校で1人だけみんなと決定的に違うところがあった。見てわかる人はいますか?」 と投げかけられました。 1人の児童が気がついて、答えました。 「手が違う。」 そう、大北さんは1歳の時に左腕を病気で失い、義手をつけているのです。差し出された義手を差し出し、握手をして回る大北さんに子どもたちはビックリしていました。 子どものころ、義手のせいでいじめられたこと。水泳ができない、雑巾がしぼれない。できないことだらけで、劣等感でいっぱいだったこと。 率直に語られる過去と、その辛さを受け止め、逆に就職の時には強みにして仕事に就いたこと……。 「世の中の当たり前を疑う気持ちを持ってほしい。知ることで世界は変わるんだよ。」 力強いメッセージを、子どもたちはしっかり受け止めていました。 ディレクターは監督の仕事であることを学び、その上でインタビューを編集するワークをしました。 インタビューを起こした文章から、話した人の思いが強く伝わるメッセージを拾ってつなげます。 子どもたちの意見に、逆に大北さんが「そうか!そんな意味にも聞こえるなぁ」と感心する場面もありました。大北さんの編集したインタビューを見て、言葉の順序も入れ替えて短くまとめられていることに、驚きました。 「たとえば、担任の阪口先生のインタビューを私が撮って、編集次第で『いい先生』に見せることも、『悪い先生』に見せることもできる。表情やセリフのつなぎ方で、印象は変えられるんだよ。だからテレビに映ってない部分やセリフを考えて観ることも大事!」 と、メディアリテラシーにつながる話もしてくださいました。 「知ることで、ダメだと思っていた問題が解決したり、がんばっている人の存在に励まされたりする。いろんな人に出会えて、紹介して、希望や解決策を観る人に届けることができるディレクターの仕事は、楽しいです。」 障がいがあっても、パワフルで明るい大北さんに「かわいそうだなぁと思ったことを反省し、つらいこともプラスに変えられるんだと納得した」と感想を書いた児童もいました。 最後に、「みんなにも話を聞かせてもらうことがあるかもしれないから」と大人に対するように、名刺を配ってくださいました。 子どもたちは、ちょっと「仕事」が身近なものになったようでした。 「障がいは私のオリジナリティ」 自分の持つマイナス面を、悲しむだけでは前を向けない。子どもたちにとって、素敵な出会いになったのではないかと思います。 次回は1月25日(月)に、毛糸作家の方から「クリエイターの仕事」を学びます。 【担当・校長】 |
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