前回は、辞書引きによって意欲を高めるために付せんを使いました。意欲がいよいよ高まってきましたので、説明することを理解し、内容理解を深めるマイ・ディクショナリーについてです。
マイ・ディクショナリーは教科を問わずに、ことばとその意味を自分だけの辞書とすることです。教科書の説明などもマイ・ディクショナリーに追加しています。3年生では、辞書の言葉を自分なりの言葉に変えることも行っています。
では、マイ・ディクショナリーの活動はどのような効果が考えられるのでしょうか。取り組みの経緯をお伝えしながら説明します。
マイ・ディクショナリーの参考書籍として、学力と学習支援の心理学(市川, 2014)をあげます。2012年ごろに教育心理学会で発表をお聞きしたご縁もあり、連絡を取り詳細について伺いました。
東京大学の市川先生の研究室生だった犬塚先生(現東京学芸大学准教授)の科研費研究で、彼女からも出典の明記をすることで実践を活用・紹介することをご快諾いただきました。
マイ・ディクショナリーの活動の効果
マイ・ディクショナリーは、新たに学ぶ語や概念の意味や定義に注意を向けさせる効果があると考えられるため,的確な内容理解を促進する効果があると考えられる。(犬塚, 2013)(以下は犬塚HPマイ・ディクショナリーより引用)
児童が「説明する」ことを理解し、日常的に繰り返し練習することができる。教科書の記述は,いわば「良い説明」のお手本です。よく読み,書くことで,「よい説明とは何か」についての理解が促進されると考えられます。また,自分が気づいたことや注意ポイントを書くことで,「自分なりの記述」も生まれてきます。内容理解が促進される
教科書の記述の「定義」に関わる部分は見逃されがちですが,概念をよく理解するためにも教科書の定義や説明をしっかり読むことが重要です。
「マイ・ディクショナリー」を使わずとも,こうした説明を書かせることはできますが,このような具体的な形にすることで,児童生徒の構えを作らせることができ,「書く」という指示が通りやすくなります。また,一度このツールに慣れれば,自主的に「書く活動」や「説明する活動」を始めることもできるようになります。(引用ここまで)
研究者の皆さんの素晴らしい研究成果を子供達の先々の学力につなげられますように!
参考文献
市川伸一(2014)学力と学習支援の心理学
犬塚美輪(2013)論理的な言語力を促進する言語活動の開発とその効果の検討,科学研究費助成
授業研究成果報告書
犬塚美輪HP H23〜25年科研費研究成果 新しい言語活動の提案HP