5月23日 毎日新聞より 緊急事態を生きる
若田 光一さんの意見から
今は在宅時間が長い人も多いが、閉鎖空間である宇宙での長期滞在との類似点も多い。
宇宙にいた頃、実験道具を運ぶ船の打ち上げが遅れて仕事が少なくなった時もあった。人間はやることがないと時間がたつのも遅く感じる。自分ができることを考え、スケジュールを立てて動くことが大事だった。
仕事と生活の場が同じなのは在宅ワークと似ているが、ストレスをためないようオンとオフの切り替えを心がけた。運動をしたり、リラックスできることを見つけたりするのもいい。先日、私も初めて自宅でお好み焼きを作ってみた。何かをやってみることで新しい発見がある。
宇宙と地球のやりとりは完全な「オンライン」。非常に重要だったのが地上の誰かの誕生日に電話をしたり、普段以上に「何気ない会話」をしたりすること。離れていても「We(私たち)」の関係を保つのは大事で、それは外とのつながりを考える今、感じることでもある。
人類史上、ウイルスが人を滅ぼしたことはない。創意工夫し、努力している時は進歩している時だ。分断に陥らず、「人類」として宇宙から地球を俯瞰する視点で将来を考えることで、意識を合わせて前に進めるのではないか。
若田光一さんは、宇宙飛行士です。2014年に日本人初の国際宇宙ステーションの船長を務められました。
確かにステイホームと外に出られない状況は、宇宙での長期滞在に似ているかもしれません。そんな風に自分の家を宇宙ステーションと考えると、気持ちが少しは明るくなるし、ステイホームを楽しめるようにもなります。また、ソーシャルディスタンスと言われ、人との分断が求められている今だからこそ、できるつながりの方法を見つけていきたいものです。人はつながらないと生きてはいけないのですから。
登校日に子どもたちに会えて、そして感染対策をしながらも、会話ができたことは、安心感につながりました。来週は、6年生の授業日が始まります。
そして、6月から学校が再開されます。2週間は、分散登校となりますが、15日から日常が戻ってきます。その日が待ち遠しいです。文部科学省から示された新しい学校生活をつくっていくことにはなりますが、新たな人とのつながりをつくっていきましょう。
学校では、それまでにも学年担当と保護者の皆様のつながりをつくるべく、つながりDAYを設けています。学校と保護者の皆様との目的は同じです。自分の子どもが通う学校を自分がつくるということからも、つながりDAYの時間帯にぜひお電話をください。そして、子どもたちが安心し、6月からの学校再開を楽しみにできるようにしていきましょう。よろしくお願いします。