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?令和2年7月26日(日)ホリデーコラム10
不登校の生徒を抱えた家庭の新たな一歩を応援するコミュニティ「イクミナル」を運営する加藤佳子さんが、不登校の生徒やその親に「今の学校のどんなところに違和感を覚えますか?」と尋ねたアンケートに、以下のような声が集まった。
子どもたちの声
○わからないことを「わからない」「教えて」と言いにくい雰囲気があって、置いてきぼりになること
○一度授業で遅れると、あとは我慢するしかないこと
○先生の言葉が絶対的なところ
○興味を持ったことがあっても、それを学ぶ時間がないこと
○見た目で判断され、目立つと先生に怒られること
○「個性が大事」と言いながら、それを認めてくれる場がないこと
○軍隊みたいなところ
○保健室も「疲れた」という理由だけでは使えないこと
○教室のドアがいったん閉まったら二度と出られない「監禁」のようなルールがあって、トイレにも行きにくいこと
これらの声は、大人数の教室で先生が授業を進めていく中で、「どうやって生徒たちをコントロールすればいいか」という観点で作られた昔ながらの学校システムと、今の生徒が持っているリアルな社会の感覚とのズレから生まれた「悲鳴」と言ってもいいと思う。
もちろん、すべての学校で同じような悲鳴が上がっているわけではないし、全国の多くの先生が生徒たちの幸せを願って教育や指導をしているとは思うけれど、こうした昔ながらの学校システムに苦しんでいる生徒がいることも事実である。
その結果が、小中学校で約14万人、高校で約5万人という不登校の生徒を生み出している。いじめや病気、けが、家庭の事情など不登校になった原因は他にもあるかもしれないけれど、このアンケートを見るかぎりでは、今の学校システムに強い違和感を抱いているといってもよさそうである。
学校はすべての子どもが安心して過ごすことのできる場所でなければならない。そのためには、これまでの学校のあたりまえを見直していく必要がある。そして、学校とリアルな社会との差がどんどん広がっていることを自覚しなければならない。例えば学校には、答えが明確な問題に対して正しい答えに導いてくれる先生がいるが、リアルな社会では、課題は自分で見つけるものであり、その答えは決して一つではない。
これからの変化の激しい時代においては、学校でも答えのない問いを問い続ける子ども、「自分で考え、自分から表現する」子どもを育てていかなければならない。