?令和2年8月19日(水)ホリデーコラム24
「頭のいい子の親がやっている『見守る子育て』」(小川大介著 角川出版)より、
親はとかく、子どもに「何でもできる子になってほしい」と願うものです。そのため、苦手なことがあると心配になり、できていないことやダメなところを指摘して直そうとします。しかし、これからの時代に求められるのは「苦手なことを克服させる教育」ではなく、「得意なことを伸ばす教育」です。
組織人として無難に働き、年功序列で階段を上がっていけば安泰だった時代は終わり、これからは、ほかの人にはない価値を世の中に提供できる人に仕事が集まる時代になります。みんなと同じでは、「その人をわざわざ選ぶ必要がない」と認識されてしまうのです。そう考えれば、「その子の強いところ、得意なところをどんどん伸ばす教育が、その子の将来にとっては有利だ」という話も納得していただけるでしょう。
勉強が得意で、スポーツ万能。実技科目もそつなくこなし、何でもできる優等生。もしもわが子がこうならば、親としては安心ですが、そんな子はまれです。何でも一番になりたいタイプの子なら自らその努力ができるかもしれませんが、大多数の子どもは、自分の好きなことだけ頑張ろうとします。それなのに「何でもできること」を求めてしまうと、好きなことに向けられるはずだったエネルギーが分散してしまい、その子の強みが育たなくなります。何でもまんべんなくほどほどにできる人よりも、不得意なことはからきしダメだけれど、得意なことはとことん得意という、いわば「いびつ」な人こそが、これからの社会で力を発揮しやすいのです。
世の中の価値観は、「苦手なものがある」ことがよくないというものから、「飛び抜けて得意なことがない」ことがよくない、という方向に徐々に転換しつつあります。ならば子どもを信じ、得意を伸ばす子育てにシフトするのが、本当に子どもの将来を考えた行動だと言えるのです。
その子の、その子らしさはその子にしかわかりません。自分の好きなことをとことん追求できる環境を整えてあげることも親の役割のひとつなのでしょう!
私は昔から卒業生に送る言葉は決まっています。それは「何事にも凝る人であれ!」です。何でもいいから、自分がこれだ!と思ったことにはとことんこだわってほしいという思いで送っています!大人になってもとことん追求したいですね!