平和登校日3平和登校日28.6 平和登校日1
☆上田先生のお話
今日の平和登校日は、平和についてじっくり考える日にしてください。76年前、今日のような暑い夏の日の朝、広島でとてもたくさんの人が亡くなりました。 これから各学年で見るビデオは、戦争の怖さや恐ろしさ、そして悲しさを教えてくれると思います。ビデオを見て、「戦争はイヤだなあ」とただ思うだけではなく、いろいろと考えてほしいと思います。 ・今の平和が幸せであるということ ・戦争には一つもいいことがないということ ・国と国のけんかである戦争がどうして起こってしまうのか ・自分たちはけんかをしないようにできているか、誰にでもやさしい心で接しているか などです。自分たちで平和な世の中にするためにも、よく考えてください。 それでは校長先生の話と担任の先生の話をよく聞いて、平和学習を始めてください。 ☆校長先生のお話 平和の尊さを訴えるアスリート 「難民選手団の思いとは」 1945年8月6日、アメリカ軍によって広島市に原爆が落とされ、約14万人の人々が犠牲になりました。今日、原爆が落とされてから76年目を迎えた広島では、平和記念式典が開かれています。 7月23日から始まった東京オリンピック。トップアスリートの活躍は、私たちにいろいろな感動を与えてくれています。一方、このオリンピックに出場することで、世界の人々に平和の尊さを訴えようとするアスリートもいます。難民選手団の選手たちです。今日は、毎日小学生新聞や朝日新聞に掲載されていた難民選手団のお話を通して、平和の尊さについて考えたいと思います。 難民選手団は、紛争や迫害によって故郷を追われた選手を支援しようと、国際オリンピック委員会(IOC)が結成しました。2016年に初めて参加し、2回目となる東京オリンピックには、イランやイラク、ベネズエラ、南スーダンなど11か国から29選手が出場しています。 7月25日に行われたテコンドー男子68キロ級。難民選手団として初出場したアブデュラ・セディキ(24)さんは、初戦の2回戦で接戦の末に敗れました。でも、表情は晴れやかでした。 アブデュラさんは、アフガニスタンで生まれ、8歳からテコンドーを始めました。将来を有望視されていましたが、紛争状態にある国内で競技をつづけるのは大変でした。治安は悪く、武装集団に襲われたこともありました。「普通の生活を送ることができない。なぜ、こんなところに自分は住んでいるのか。他の国の人たちをうらやんだ」とアブデュラさんは言います。 2017年、国を捨てて、テコンドーが盛んなベルギーを目指しました。アフガニスタンからの直線距離は約6千キロメートル。頼れるのは、自分の足だけでした。「1日12時間歩いたこともあった」とのことです。 その後、ベルギーのアントワープの近くに移り住み、2019年には世界選手権に出場しました。オリンピックの出場が見えてきた頃、新型コロナウイルスが世界中に広まりました。東京オリンピックは1年延期され、アフガニスタンで暮らしていた母は亡くなりました。国を離れる前、母はアブデュラさんに、「世界一になって」と、ずっと言い続けていました。 7月25日の対戦相手は、リオデジャネイロオリンピックの別階級で金メダルに輝いた中国選手でした。身長の差が10センチメートルほどある大柄な相手にもひるまず、最後まで攻め続けました。 「今日は始まりに過ぎない。難民だって、目標はかなえられる」。アブデュラさんは、そう信じています。 国連難民高等弁務官という事務所(UNHCR)があります。UNHCRは6月、難民や難民申請者、国内避難民がこれまでで最も多い8240万人となり、10年前の倍に増えたと発表しました。みなさんがいつものように学校に行き、家族と過ごし、温かいご飯を食べている時、生まれた国が違うだけで、苦しんでいる子どもが世界には大勢います。オリンピックに参加する難民選手団を通して、そんな子どもたちに心を寄せ、平和の尊さに目を向けてほしいです。 話は変わりますが、8月31日火曜日まで、大阪府に緊急事態宣言が発出されました。新型コロナウイルスの感染が、広がっています。マスクをする、手を洗う、人との間をあける、換気をするなどの感染症への対策をして、夏休み後半を有意義に過ごしてください。 矢田西小学校の自然47 ヤゴの抜け殻矢田西小学校の自然46 ダイズ |