VUCAとは?「教えない授業の始め方」(山本 崇雄 著 「アルク」)より、 学校は19世紀末の日本の産業革命以降125年以上大きく変わっていません。その証拠にどの世代の人と話しても、授業のスタイルや行事、宿題、部活動など共有できる課題がたくさんあるのではないでしょうか?その一方、リアルな社会はものすごい勢いで変化しています。AI、ビッグデーター、VR(仮想現実)、ブロックチェーンなど、世の中のあらゆる場面で、インターネットにつながったテクノロジーが社会を大きく変革する時代です。 その結果、リアルな社会と学校はものすごい勢いで離れてしまっています。日本の多くの学校では、答えのあるテストに向けて、勉強していきます。解決方法は先生が丁寧に教えてくれます。テストも答えがある問題を一人で解きます。相談するとカンニングになり厳しく怒られます。入試も同じです。 その結果、テストや入試だけを目標にしてしまうと、最優先事項は自分のための勉強となり、協働することは自分に利益をもたらさないものと捉えかねません。また、答えのない問題に粘り強く取り組むことができず、すぐに解法や模範解答を求めるようになります。効率よくテストの答えを導き出すことが勉強の中心になってしまうのです。 明治時代以降の変わらぬ日本の教育を大きく変える時代が来ました。テストや入試のために勉強するのではない、何のために勉強するのか?VUCAの時代(※VUCAとは「Volatility」(変動)「Uncertainty」(不確実性)「Complexity」(複雑性)「Ambiguity」(曖昧性) の頭文字を取った言葉で、あらゆるものを取り巻く環境が複雑性を増し、想定外の事象が次々と発生するため、将来の予測が困難な状態を指す言葉)において、教育現場は子どもたちにどんな力をつけなければならないのか!自分自身に問いかけましょう! なーんだ?みなさん!元気ですか? 台風が通過中です。 大丈夫ですか?不要不急の外出はせずに、安全第一で過ごしましょう! では26日目の問題です! 「早く寝ないと次の日にあらわれるぼうってなーんだ?」 わかったかな? 答えは明日ね! なーんだ?みなさん!元気にしていますか? 夏休みもあと2週間です! 台風がまもなくやって来ます。安全安心で過ごしましょう! では25日目の問題です! 「点々をつけると、おどりはじめちゃう家具ってなーんだ?」 わかったかな? 答えは明日ね! 席替えの目的!「教えない授業の始め方」(山本 崇雄 著 「アルク」)より、 グローバル化するリアルな社会では、多様な文化や価値観が広がっています。そのような社会にこれから出ていく生徒たちにとって「多様性」は一つのキーワードです。生徒に多様性を感じさせ、目標に向かい協働していく経験をさせるには、教室の固定した座席をいかに崩して行くかが鍵になります。(中略) 最近では、アクティブ・ラーニングを意識してペアワークを授業に取り入れる先生も増えています。固定された席だと、1時間目から6時間目まで同じパートナーとペアワークをしなければならない状況も生まれてきます。もし、パートナーが自分と気の合わない人であったらどうでしょう。学校に来るのが嫌になっても不思議ではありません。 席替えは、教室の人間関係を流動的に壊していきます。 また、席替えで「できる」「できない」の差が埋まっていきます。「できる」生徒は「できない」生徒のために、英語を何度も言い換え、ジェスチャーや表情を豊かにし、伝えようとします。「できない」生徒は必死に「できる」生徒の表現をコピーします。多様なレベルの生徒が、席替えを繰り返していくことで、お互いに補い合い、差が埋まってくると考えます。 さらに、席替えで「動く」という行為自体が、授業にメリハリを生み、生徒の集中力を持続させ、一つ一つの活動の質が上がります。単純になりがちなトレーニングなどの活動の質を上げることも学力の向上につながります。 教室をいかにして多様性の空間にしていくのか?考え方の多様性をより目に見える形でリアルに表現するには、「席替え」の活用は一つの手段になるかもしれません。多くの教室は毎月席替えをしているようです。これを毎週や毎時間、学習内容に応じて席替えをするとどうなるでしょうか?単に席を替えるだけなら学習効果にはつながりません。大事なことはどんなことを考えさせ、どんなふうに子ども同士をつなげることができるのか!その目的のための席替えを意識することが大切です。手段にとらわれず目的を見失わないことですね! 学び合う子ども!「教えない授業の始め方」(山本 崇雄 著 「アルク」)より、 コミュニケーションが双方向になるように、まず教師は授業を双方向性にする必要があります。もし、授業が黒板とチョークで一方的に講義する形であれば、教師と生徒が相互理解を深めることができません。お互いに学びのパートナーシップを対等に取り、どちらの意見も優劣はなく対等なものにしていきましょう。「教えない授業」の「教えない」は、教師が一方的に「教える」のはやめ、生徒からも「学ぶ」対等なパートナーシップを組んでいくという意味でもあります。(中略) 矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、自律した生徒は「分からない」「助けて」が言えます。自分に何が欠けているかを客観視し、クラスの中の適切な人を見極め、その人に頼ることができます。クラス全体を俯瞰して見る力があるので、協働作業の時にそれぞれの強みを生かそうとします。 そして、「分からない」「助けて」が言えるためには、クラスが安全・安心の場になっていて、円環の(循環する)時間が流れていなければならないことも忘れてはなりません。 人と人が対等に学び合える空間には、何を言っても大丈夫!何を言っても受け入れてもらえる!安心感が必要です。分からない子どもが「分からん!教えて!」と威張っている教室!分かる子どもが「どう言えばわかるかな?あれ、自分もわかってなかったかも?」と分かり直しをする教室!そんな教室をめざしましょう!きっとそんな教室では、どの子どもも安心できる居場所があるはずです! |
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