気体の体積変化と子どもの観察眼について
- 公開日
- 2013/12/20
- 更新日
- 2013/12/20
スマイルとよさき
4年生の理科で「ものの温度と体積」の学習をしています。この単元では,空気,水,金属の温度変化にともなう体積変化を学びますが,空気が他の2つよりも大きく変化します。実際にどれくらい変化するのか計算で求めてみます。
次の式で計算して求めることができます。
膨張による体積の増加分=元の体積×(終わりの温度−始めの温度)×体膨張率
ここで,体膨張率は,物質によって異なりますが,気体についてはすべて同じでおよそ,1/273(≒0.00366)という値になります。
実際に計算してみましょう。
実験で使った300mLのフラスコに栓をします。(当然,中には空気が入っています。)始めの温度を15度で,70度の湯に入れたとします。
膨張による体積の増加分=300×(70−15)×0.00366=59.4mL
となります。
約20%ほど空気の体積が増加していることがわかります。
12月19日にフラスコ内に水と空気を半分ずつ入れて湯で温める実験をしました。
水と空気とを比べると,空気の方が体積の変化が大きいことの学習の延長として実験しましたが,厳密に考えるとそうとは言い切れません。
というのも,実際は空気の体積膨張だけでなく,フラスコの中の水が蒸発することによって体積が膨張する方が圧倒的に大きいからです。
水が水蒸気に蒸発するときには,体積が約1700倍にもなります。気体の熱膨張による体積変化がわずか1.2倍というのとは比べ物になりませんね。