学校日記

保護者サロンの報告

公開日
2026/06/02
更新日
2026/06/02

お知らせ

 29日(金)第2回保護者サロンには12人の保護者の方が参加してくださいました。その中で、いろいろ話したことのまとめを記載します。あと、話題を提供してもらったことについて調べたこともあわせて書きます。

1. とめ・はね・はらいの間違いをどこまで許容するのか?

 小学校の漢字教育における「とめ・はね・はらい」の指導基準については、「今は柔軟に評価する」というのが国の方針です。2016年に文化庁が発表した「常用漢字表の字体・字形に関する指針」において、漢字の細部について「骨組み(どの線がどこにどうつながっているか)が合っていれば、多少の書き方の違いは間違いとしない」つまり、文字の持つ意味や機能が損なわれていなければ、細かな筆写のクセ(とめ・はね・はらいの程度)で一律にバツにしてはいけない、ということが示されています。例えば、「木」の2画目縦棒の最後をとめるか、はらうかはどちらでも正解です。「口」の2画目の角はきちんと折るか丸めるかも判別できれば正解です。

とはいえ、学校では「きれいに見える形」「基本」を教えたいです。最初から「どっちでもいいよ」と教えると、文字のバランスが崩れて何を書いているか分からなくなることが予想されます。授業ではまず「教科書通りのきれいな形」を基本として教えます。「とめ・はね」もそれが原因で別の漢字に見えてしまったり、明らかに雑に書いていたりすることをまずは指導したい。そして、「間違い」ではなく「もっとカッコよく書くコツ」として赤ペンを入れていることを子どもたちにしっかり周知していきたいです。


2.プール水泳時の熱中症への危険とその対策・対応について

 プールと熱中症については、学校として最も重要視していることの一つです。「プールに入っているから涼しくて大丈夫」と思われがちですが、水中にいるため、発汗に気づきにくく、気づいた時には脱水症状が進んでいることがあります。また、水温が32℃以上になると、水中にいても体温を下げることが難しくなります。体感的に口の中が水で潤っているように感じるため、身体の脱水が進んでいても「喉が渇いた」と感じにくくなります。

その対策ですが、まず「睡眠と朝食をしっかりとる」が大事です。高倉小学校でも体調管理についてもプールカードに保護者の許可がない場合は入水しないを徹底しています。入水前の水分補給が大事なので泳ぎ始める前に、適量の水分を飲むように指示しています。水泳の授業が始まっても「渇きを感じているか」に関わらず、プールサイドまで持ち込んだ水筒で水分を適時補給させます。休憩も早め早めに取り、その際に全員の表情や顔色による健康チェックも行っています。また、毎時間、水質の点検を欠かしません。PHや塩素濃度と水温・気温をチェックして、基準を超える場合はプール水泳を中止したり、時間を短縮して実施するなどの判断をします。熱中症や溺水事故が起きてしまったときの救急救命処置も毎年、都島消防署と連携した教職員研修を実施しています。また、プールの見学者についても、当日の状況によってはエアコンの効いた室内に待機させることもあります。教員の「監視」と「指導」の役割分担も決めています。指導している教員は、子どもの溺れに気づけないことがあるので、必ず「指導をせず監視に徹する教員(またはサポーター)」を配置し、上から全体を広く見守る体制を欠かさないようにしています。

3.デジタルドリルか 紙のドリルか?

 保護者サロンに参加された保護者の方は紙のドリル派の方が多かったと思います。高倉小学校としては、両方をバランス良く使う方針です。どちらか一方が完璧に優れているということはないので、それぞれの良さを生かしたいと考えています。デジタルドリルは、解いた瞬間に○×がつき、間違えた問題の解説がすぐに出ます。「どこを間違えたか」がその場で分かるため、記憶が鮮明なうちに修正でき、学習効率が高いです。AIによる出題で「簡単すぎて飽きる」「難しすぎて挫折する」のを防ぎます。個々の理解度に合わせた問題を自動生成するため、基礎力の定着や遅れの挽回が期待できます。ゲーム性とハードルの低さ、動画解説やポイントが貯まる仕組みなどもメリットです。しかし、選択式の問題だと、適当にクリックして偶然正解し、理解したつもりになってしまうことがあります。長時間のブルーライトや、他のアプリ(動画やゲーム、タイピングソフト)の誘惑と戦う必要もあります。保護者から見て学習しているように見えない、本当に頭に入っているのかという心配の声もよく聞きます。

対して、紙ドリルは、「じっくり考える」ことと「記憶の定着」に優れています。「手で文字を書く」という行為が脳を刺激することが脳科学の研究で分かっています。漢字の書き取りや、英単語のスペルなどは紙ドリルの方が記憶に残りやすい傾向があります。紙ドリルは、前のページをペラペラとめくって見返したり、全体を見渡したりすることが容易で、計算の途中式や、どこでどう間違えたのかが目に見えるため、つまづいたところを見つけやすいです。1冊終わらせたときの達成感も紙ドリルならではの利点です。しかし、夏休みだと宿題をやった直後に保護者が丸つけできないと学習が定着しにくいです。間違ったやり方で理解して、何ページもすすめてしまうことも起こります。2学期が始まってから答え合わせしても、時間が立ち過ぎていて「どう考えてその解答になったのか」を思い出せないことが多くあります。

デジタルか紙ドリルかどちらが「学力」が高まるのかは、国内外の研究によると「ハイブリッド(使い分け)」が最も学力を高めるという見方が主流です。高倉小学校のデジタルドリルは、全市で導入している「ナビマ」(トッパン社)に加えて、AIがその子の誤答傾向や1問解き終わるのにかかった時間などの蓄積されたデータから「つまずきやすいところ」を分析し、その子に合った難易度の問題を自動で出題してくれる「ミライシード」(ベネッセ社)を導入しています。AIで一人ひとりにぴったり合った問題が出されることは、私が個人的にいちばん期待しているポイントです。

保護者サロンでも意見が出ましたが、漢字の「書き順」や「正確さ」がデジタルドリルでは、判定にあいまいさがあり、紙ドリルに軍配があがります。やはり「どちらか一方に絞る」のではなく、「計算や暗記などの基礎トレはデジタルでサクサクやり、じっくり考える応用問題や記述は紙のノートで解く」というように、それぞれの 「良さ」 を組み合わせて進めていきたいと思います。


4.運動会のやり方や種目について

運動会の種目ややり方についても、保護者によっていろいろな希望があることがわかりました。「リレー(走)」で足の速い精鋭さんたちだけのチーム作ってほしい、玉入れや大玉転がしなどの競技も見てみたい、でも1日開催に戻すのはやめてほしい、運動会を色々見て、高倉小は他校より華やかに見えた、運動会を何のためにやっているのかなど、いろいろな意見が出て面白かったです。

運動会は、教科の「体育」ではなく、「学校行事」です。体力の向上、健康や安全への意識、進んで運動に親しむ態度を育て、体力を高める。学年や全校の集団行動を通して、自分の役割を果たし、仲間と協力し合う態度を養う。ルールを守り、勝敗に対して正しく向き合う(フェアプレー精神)とともに、集団の一員としての自覚を高める。つまり運動会とは、「集団行動や準備・練習を通じて、人間性を育てる教育活動」として位置づけられています。2018年に改訂された現行の学習指導要領では、児童・生徒が主体となることがより重視され、先生に言われた通りに動くのではなく、応援団、係活動などを通して、子どもたち自身が「どうすれば成功するか」を話し合い、主体的に運営に関わることが求められています。過度な競争や危険な組体操、一部の運動が得意な子だけが目立つ内容は見直されつつあり、全員が参加しやすく、達成感を味わえるような種目の工夫(ダンス、全員リレー、表現運動など)が推奨されています。高倉小では、開閉会式、応援団、全校競技もしっかりやって、午前中のみの開催ですが、より内容の濃いものにしていきます。

5.学習する内容が先生によって、学年によって違うのか。学校としてどこまで揃えているのか。

「学習指導要領」(文科省HPから誰でも入手できます)で子どもたちに教える内容がたいへん細かく決められていて、教科書もそれに準じて作られているので、どこの学校に行っても同じ内容の教育が受けられるのが公教育の基本です。ただその内容をどう教えるか、どんな教材を使うのかなどは、教員免許を持った教員一人ひとりに委ねられています。高倉小学校では、学年団で協力して教材や指導案を作成することが多いので、学級によるバラつきはそれほどありませんが、それでも授業の進め方は学級によって違うので、そこが面白いところでもあり、問題視されるところでもあります。学年内で担当教科を決めてゆるい教科担任制を実施している学年もあります。ちなみに高倉小の研究教科は「国語」でテーマは「対話」です。せっかく同じ教室に30人の仲間がいるのだから「対話」して自分の考えを広げ、深めようということを追求しています。特に今年は「高倉タイム」と称して「異学年」による「サークル対話」を月に1回くらい実施することも計画しています。

お忙しい中、保護者サロンに参加してくださった方、本当にありがとうございました。次回は、夏休みくらいに第3回をしようと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。また、学校に対して何かご質問やご意見などございましたら、電話や連絡帳などでいつでもお知らせください。