学校日記

絵本の紹介 「あててえなせんせい」

公開日
2013/11/20
更新日
2013/11/22

私からの提案

先日(11月14日)、このホームページで読書のすすめをさせていただきました。私も、図書館で絵本を探していると、この本に出会いました。とても内容がよかったので、みなさんにご紹介させていただきます。近くの図書館にもきっとあるはずです。一度手にとって読んでいただくことをおすすめします。
作者の手記も載せておきます。

あかね書房『あててえなせんせい』
木戸内福美・ぶん 長谷川知子・え  本体1,200円

子どもの心に近づきたくて  木戸内福美

「子どもの心によりそうにはどうすれば?」と、若いお母さんや、教師や保育士さんに聞かれることがありますが、なかなか納得がいくように話せませんでした。でも、今度聞かれたら、絵本『あててえなせんせい』を親子で読んでみてと言います。
 私の原体験からできた絵本です。本読みを先生に当てられて、本を持って立ったものの手足がふるえて声が出ません。泣きたいのを耐え家に走って帰り、母の顔を見たとたんにわぁわぁ泣きました。母は何も言わず私を抱きしめ背中をなでながら、「なんぼでも泣いたらええ」と言って私が泣き止むまで抱きしめてくれました。充分泣かせてくれたことで、本が読めなかったことを話すことができました。そして母は私の本読みを何度も聞いてくれたのです。次の日の朝、学校に行く時、母はまほうの言葉を言ってくれました。 そのまほうの言葉は、抱きしめられた母のぬくもりと一緒に、今も私の生きる力になっています。
 小・中・高の学校で読み語りする前に、この体験を話すと、「聞いてやるもんか」と斜に構えてた子までが身を乗り出してきて、なぜか一瞬にして子ども達の心に近づけました。誰もが経験していること、失敗談を聞くことで共感が生まれ、初対面の私を受け入れてくれました。こんな絵本があればいいのにと思い、今回絵本にしました。