学校日記

5月号

公開日
2016/04/25
更新日
2016/04/25

校長室から

       風薫る5月に〜子どもの日に想う〜
新年度がスタートして早や1ヶ月が過ぎようとしています。1年生もそろそろ学校生活に慣れ、休み時間には元気な声が運動場に響いています。
さて、5月に入ると子どもたちが楽しみにしているゴールデンウィークが始まります。生活リズムを守って、家族のきずなを深めるよい機会にしてほしいと思います。
今回は風薫る季節をむかえて、人気作家の重松 清さんが「こどもの日」について次のような文章を書いておられたのでその一節を紹介します。

『ぼくはときどき思う。おとなはどうして、こどもの日に合わせてこいのぼりを飾るんだろう。それは、子どもたちに空を見てほしいからなんじゃないか。  
こいのぼりを眺めていると、自然と顔が上を向く。背筋が伸びて、のどや胸が広がって、呼吸の一つ一つが深くなる。その心地よさを君に味わってほしくて、色鮮やかなこいのぼりは5月の空を泳いでいるんじゃないだろうか。
寒くて長い冬が終わり、気ぜわしい桜の季節が過ぎた後、空を見上げて深呼吸してみるといい。新学期で緊張気味だった体や心が、きっと気持ちよくほぐれていくはずだ。おとなも同じ。みんなうつむきがちに生きている、こんな時代だからこそ、よく晴れた初夏の空を見上げる幸せをかみしめたい。
そして、もう一度言わせてほしい。「こどもの日」おめでとう。それは君たち一人一人が今ここに生きていることへの、おとなからの「ありがとう」でもあるんだ。』

なかなか素晴らしい文章です。
五月晴れの空を眺め、思い切り深呼吸をして気分転換を図るのによい季節です。今一度、生まれてきてくれた時の感動、無邪気な笑顔や信頼に満ちたまなざしに接した時の喜び、親であることの幸せをかみしめ、時には、自らの子どもに感謝することも大切なことではないでしょうか。「こどもの日」が設けられたのは、本当はこのような意味があったからにちがいありません。

                  校長 安 藤  直