今日の一言 5月4日 番外編 (1) 笑うから幸福
- 公開日
- 2021/05/04
- 更新日
- 2021/05/04
校長雑感 一隅を照らす
平成30年の4月9日から6月4日までの期間、7回に亘って「日本教育新聞」に校長雑感について書いたことがあります。今も同じ気持ちです。
長いGW中、もしご笑覧いただければ幸いです。
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いったい何者!
「何者であるか」を理解してもらわなくては、何も始まらない。平成二十六年春、強く感じていました。「この人だれ?大丈夫だろうか?」保護者や地域、そして教職員も大きな不安を感じていたに違いありません。なぜなら、私が民間人校長だったから。それも、つい今しがた二十七年間のドイツ生活から日本に帰ってきたばかりの。
「今日の一言」を書こう!
校長は、学校や教職員を代表してあいさつや講話を通じ学校の方針や教育への想いを伝えていきます。しかしそれは《わたくし》を語る場ではありません。校長としての立場・役割として話さなければいけない。「私が何者か。何を考えているのか。それを話す機会。少なすぎる!」思いついたのが、学校のホームページにコラムを書くことでした。読者は保護者の皆さんと先生たち。『日本に帰りたかったのは、日本の学校教育の素晴らしさを変えてほしくなかったから、日本の人たち、先生たちに自信をもってほしかったから』その想いを平成二十六年九月から現在まで書いてきました。校長の想いを伝えるという意味では、これも一種の講話なのでしょうか?
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今日の一言 4月6日 笑うから幸福なのだ
自分を愛してくれる人たちのために我々がなしうる最善のことは、やはり自分が幸せになることだ。幸福になろうと望まないならば、幸福になることは不可能だ、自分の幸福を望み、それを作らなければならない。幸福だから笑うわけではない、笑うから幸福なのだ
(アラン「幸福論」角川ソフィア文庫 “あとがき”より)
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明日の「入学式のあいさつ」の内容を考えるために、いつものように校長室の本棚からあれこれ取り出して眺めていると、この本に行きあたりました。アランはこうも書いています。
「悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する。」
「気分というものは、いつも悪いものだ。
幸福は意志と自制とでできている」
「自分で倒れそうだと思えば倒れるものだ。
何もできないと思えば何もできない。
自分で晴天や嵐を作り出すのだ、まず自分の内部に!」
勉強する目的の一つに「幸せを感じる力をもつため」があると思っています。
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「お前は今幸せか?」私が軽く頷くと「だったら良しとするか」ほんの数か月前の私と父の会話です。胸が熱くなりました。
「自分自身の物差しで、私は幸せだと言える人、感じることができる人になってほしい」私は今、父親として自分の子どもに、そして、校長として○○小の子どもたちに、そう願っています。たくさん友だちを作って、たくさん勉強して、いろいろな人との関わり、経験し学習し、大人になっていく・・・
学校が「今、幸せであること」を感じる力を養える場所になったら、どんなに素敵なことでしょう!
明日の『入学式のあいさつ』にこの想いを入れてみます。
(引用:日本教育新聞・平成30年4月9日 ”心に響く校長講話")