学校長祝辞
- 公開日
- 2015/04/03
- 更新日
- 2015/04/03
山岡校長の「雨ニモ負ケズ」
この冬も、寒い日々が続きましたが、思ったよりも春の訪れは早く、校庭の桜の花も満開を迎えました。
春爛漫の新しい息吹を感じる今日の佳き日、歴史と伝統ある大阪市立西中学校に入学されました、九十五名の新入生の皆さん、心よりご入学おめでとうございます。
本年度、入学してまいりました生徒たちを、これより三年間、本校において、大切にあずからせていただきます。
小学校で培った基礎を礎に、さらに大きく成長し、地域に貢献できる若者となりますよう育ててまいりますので、皆様方におかれましては、これまでと同様に、本校へのご支援、ご協力をお願い申しあげます。
さて、新入生のみなさん、君たちは、いよいよ中学生になりました。
中学校生活は、義務教育九年間の総まとめの三年間です。
「児童」から「生徒」へと呼び名も変わります。
この「生徒」という呼び名にふさわしい人間となるよう、これから始まる中学校生活を送るうえで、君たちに心がけて欲しいこと、守って欲しいことがあります。
まず一つ目は、「自分を大切にし、将来を見据えて、日々、成長していく。」ということです。
中学校を卒業するまでの三年間のあいだに、君たちは、自分で自分の進路決定をしなければなりません。
そのためには、しっかりと学んで、たくさんの知識と自ら考える力を身につけ、自分で正しく判断し、行動できる人間にならなければなりません。
中学校卒業後の自分の将来を、今からしっかりと見据えて、立派な社会人として生きていく力を身につけていくことができるよう、日々、努力を積み重ねていってください。
今はまだ家族や学校、地域の方々に守られていますが、社会に出ると自分で自分の未来を切り開いていかなければなりません。
どんなに困難な問題が起こっても、自分で考え、自分で解決していかなければなりません。
皆さんの中には、もしかしたら勉強が苦手で、なぜ勉強をしなければならないのかと思っている人がいるかもしれません。
しかし、苦手なことに、根気強く取り組むことによって、自ら問題を解決していく力が身に付くのです。
決して、学ぶことから逃げないでください。
君たちの努力次第で、不可能と思えることが可能になるのです。
やればできます。
学ぶことによって、自分の人生を切り開いていってください。
これからの中学校生活三年間、常に自分が今何をしなければならないのか、ということをしっかりと考えて、学習に、運動に、学校行事に、部活動に、精一杯頑張ってください。
二つ目は「友達を大切にし、みんなが、楽しく過ごせる学校にする。」ということです。
自分が大切であるのと同じように、まわりの友達も、一人ひとりがかけがえのない存在です。
それぞれが、個性を持っていて、一人ひとりに違いがあります。
障がいのある仲間も含めて、その違いをお互いに認めあい、支え合いながら、ともに楽しい中学校生活を送ることができるようにしてください。
友達のいいところをたくさん見つけ、人を思いやる心や、人に感謝する心を持てる人間に成長していってほしいと思います。
本校では、「仲間はずれ」や「いじめ」といったことは決して許しません。
みんなが安心して楽しく学校生活がすごせるように、共に頑張っていきましょう。
三つ目は「家族や、地域を大切にする」ということです。
君たちは、ご家族やご近所、地域の方々に見守られながら、これまで育ってきました。
中学生になったんだ、という自覚を持って、今度は家族や、地域の方々の役に立つ人間に成長していってほしいと思います。
大いに期待しています。
最後になりましたが、保護者の皆様方、本日は、お子様のご入学、誠におめでとうございます。
中学校の制服を身に着けられたお子様の姿に、感慨も、ひとしおのこととご拝察申しあげます。
きっと、小学生の時よりも一回り大きく、立派に感じられていることでしょう。
我々、教職員一同、保護者の皆様方のご期待にそえるよう、精一杯、頑張ってまいる所存でございます。
ご家庭におかれましても、お子様が「早寝、早起き、朝ごはん。時間を守る。挨拶をする。服装を正す」といった基本的生活習慣を身につけることができますよう、ご協力をお願いいたします。
また、中学校では、学習内容もより一層、難しくなりますので、学習しやすい環境づくりにもお心遣いをお願いいたします。
私も、三人の男の子の子育てを経験しましたが、いつまでも幼いと思っていた子どもたちが中学生になりますと、心身の発達に個人差はあるものの、急激に成長しながら悩み、戸惑い、自分自身を深く見つめるようになります。
時には、不安や苛立ちから、大人に反抗したり、逆に自分の殻に閉じこもることもあるかもしれません。
しかし、それらは、子どもたちが成長している証であり、自立していくための大きな過程であると思います。
子どもたちの成長段階に応じた子育ての心得として、「幼いうちは手を離すな。次は目を離すな。そして最後は心を離すな」という言葉があります。
時として、お子さんに対して、社会のルールの中で、してはいけないことはしてはいけないと、毅然とした態度で注意しなければならないこともあるかもしれません。
しかし、思春期真っただ中のお子さんを一方的に叱っても、素直に聞き入れてくれなくなることもあるかもしれません。
そういうときこそ、心をしっかりとつなぎながら、自主性を尊重し、時には手を差し伸べ、時には寄り添いながらお子さんを信じて見守っていただくことが大切だと思います。
お子さんの中学校生活において、何か、気づかれたことがございましたら、すぐにご連絡いただきますようお願いいたします。
また、わが子だけでなく、まわりの友達も含めて、地域の子どもたちの行動に心を配って、いただきますようお願いいたします。
いじめや、不登校といったことのない学校、まじめに頑張る生徒が、いきいきと活躍でき、正当に評価される学校づくりをめざして、教職員一同、精一杯、頑張ってまいりますので、どうぞ、ご理解、ご協力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
それでは、新入生の皆さんが三年間の中学校生活の中で、大きく成長し、自分の未来を切り開いていく人間となることを期待し、入学式の式辞といたします。
平成27年4月3日
大阪市立西中学校 校長
山岡 良知