11月30日(月) 全校集会講話
- 公開日
- 2015/11/30
- 更新日
- 2015/11/30
山岡校長の「雨ニモ負ケズ」
立冬がすぎても暖かい日が続きましたが、先週の月曜日、11月23日が、24節気の第20、「小雪」でした。雪が降り始める頃、ということです。
11月16日の全校集会で、教師養成講座の現場実習に来られていた 松尾扇衣(あおい)先生が、家庭教師で貯めた資金で、先月、カンボジアに一人で行き、身寄りのない子どもたちが預けられている施設でボランティアをしてきたという話を紹介しました。
その体験談を、皆さんのために文章にまとめてくださいましたので、紹介します。
「私は、先月、海外のボランティア活動に参加し、カンボジアを訪れました。
もともと教師になることが夢だった私は、日本の教育現場だけでなく、世界の教育現場や貧困地域について学びたいと思い、一人でボランティアに参加することに決めました。
カンボジアでは、孤児院とよばれる身寄りのない子どもたちが生活を共にする施設を訪れたり、地雷博物館を見学したり、NPO法人が運営している貧困家庭の女性が働く工場や、貧困地域の家庭訪問をしました。
目を背けたくなるような現実を目の当たりにし、何もできない自分の無力さを思い知りました。
私が見た現実は、きっと、ほんの一部だったと思います。
世界には、もっと様々な事情を抱えた国や地域があるはずです。
帰国してからの私の生活は、劇的に変わったわけではありませんが、ボランティアに参加する前の自分と、明らかに違う部分が一つだけあります。
“幸せのハードル”が下がったことです。
“幸せのハードル”が下がったことにより、一日の中で、幸せと感じることが多くなりました。
例えば、朝起きて、空が青かったら、それだけで幸せです。
温かい朝食と、きれいに洗濯された服を着るだけで、幸せだと心が温かくなります。
私は、一日に何度も、“幸せ”と口に出すようになりました。
このボランティアが、私の人生を大きく変えたというわけではありませんが、この経験がなければ、私は、日々の小さな“幸せ”に気づくことができませんでした。
みなさんは、当たり前のように、一日を過ごしていませんか?
少しだけ、“幸せのハードル”を下げてください。
“人生の幸福度”が上がるはずです。」
昭和23年(1948年)12月10日の、第3回国際連合総会において、「世界人権宣言」が採択されたのを記念して、12月10日を「人権デー」、12月4日(金)から、10日(金)までを、「人権週間」と定められました。
この機会に、人権について考え、君たちも、松尾先生のように、世界に目を向けて、人権問題について考えることができる人間になってほしいと思います。