学校日記

卒業式式辞

公開日
2018/03/14
更新日
2018/03/15

山岡校長の「雨ニモ負ケズ」

今年の冬は、今までに経験したことのない寒い冬でしたが、本日の卒業式を待ちわびたかのように、一気に暖かくなりました。
校庭の桜のつぼみも膨らみ始めた、春爛漫の今日のよき日、第71期卒業生として巣立つ96名のみなさん、心よりご卒業おめでとうございます。

また、本日ここに、本校第71回卒業証書授与式を挙行いたしましたところ、西区副区長 糸田川 勝行(いとたがわ かつゆき)様をはじめとする、ご来賓のみなさま方におかれましては、公私何かとご多用の中、早朝より多数、ご臨席を賜りましたこと、誠にありがたく、高いところからではございますが、心よりお礼申しあげます。
また、本年度、「創立70周年記念式典」にご臨席賜りました、ご来賓の皆様方に、あらためてお礼申しあげます。本当にありがとうございました。

さて、卒業生のみなさん。君たちは、本校での3年間、学習に、運動に、部活動に、常に真面目に取り組み、多くのことを学び、数々の思い出を残して、本日、卒業証書を手にしました。
その卒業証書には、ご家族をはじめ、地域の方々、教職員の深い愛情がこめられています。
そして、一緒に過ごした友の支え、励ましがあればこそ、こんにちの自分があるということを、決して忘れないで欲しいと思います。

君たちは、私が、本校に着任して、初めて3年間を共に過ごした、私にとって思い出深い学年です。
1年生の一泊移住で、日高少年自然の家へ行き、共に過ごした2日間が懐かしく思い出されます。これが中学生かと思うほど、幼い君たちに驚かされたことが、昨日のことのようです。

そのあと3年間、本校が大切にしている、さまざまな体験に基づく学習を積み重ねてきました。
遠足や修学旅行、体育大会、文化発表会、合唱コンクール、水泳大会、球技大会、地域探訪、職場体験学習、そして、3年生を送る会など、たくさんの思い出を作ってきました。

修学旅行では、3年生96名全員が、遅刻・欠席なく新大阪駅に集合し、事件・事故なく帰ってくることができました。
1日目の有明海でのガタリンピックでは、寒さに負けず大自然の中でムツゴロウと大はしゃぎし、豪華なホテル やすらぎ伊王島では、一生の思い出に残るレクレーション大会をみんなで成功させました。
2日目の長崎平和公園では、暑い中を「さるく平和ガイドツアー」の方々にお世話いただき、3年間の平和学習の集大成を行いました。
南島原での民泊体験では、一期一会の出会いを体験し、涙の離村式となりました。

体育大会では、九条幼稚園の園児のみなさんとの合同演技での、きみたちの優しい表情に癒されました。
集団演技においては、創立70周年記念体育大会にふさわしい演技で、1・2年生に範を示し、地域、保護者の方々に感動を与えました。

文化発表会では、クラスを越えて、学年の総力を結集して取り組みました。
とりわけ、創立70周年記念学年劇「(映像と劇で贈る)西の歴史」は、よくぞ中学生が、これほどまでの劇を演じきれることができた、というほどクオリティーが高く、会場全体を驚かせました。

そして、創立70周年記念式典では、3学年全員合唱の中心となり、西中学校の素晴らしさを地域のみなさまに見ていただくことができました。

部活動においても、日々の努力を怠らず、運動部、文化部とも、数々の成果を収め、大阪市立西中学校の名を、輝かせてくれました。
各教科においても、外部のコンテストなどに、数多く入賞し、部活動とともに、毎週のように、全校集会で、賞状の伝達をさせてもらえたことは、最高の喜びであり、誇りです。
生徒会活動においても、さまざまな取り組みを、自主的に行ってくれました。
スイス派遣、オーストラリア派遣にも、難関を突破して大阪市の代表に選出され、後日その成果を全校生徒に発表してくれました。
これらはすべて、よき伝統として、後輩たちに、引き継がれていくことでしょう。

そして、何よりも、君たちは、日々の授業に、まじめに取り組んでくれました。
進路決定にも、真摯に、前向きに、取り組み、厳しい受験に、立ち向かってきました。  
校長面接で、君たち一人ひとりと、触れ合うことができましたが、その真剣な眼差しには、強い決意がみなぎっていました。

卒業文集にも載せましたが、「不易と流行」という言葉を忘れないでほしいと思います。
「不易と流行」とは、「いつまでも変わらない本質的なものを大切にしながら、新しく変化しているものを取り入れていく」という意味です。
現代社会は、パソコンやスマホなどの発達により、便利になりましたが、そのために、人と人とが直接会って話したり、議論したりすることが少なくなったように思います。
しかし、「思い」を人に伝えるためには、「直接会って目を見ながら話す」ことが大切です。そうすることによって、人を思いやる気持ちが生まれ、信頼関係が築かれるのです。
「人を思いやる優しさ」や「人を信頼する気持ち」は、どんな時代にも「不易」なものです。
今の世の中を見ていると、便利で楽しい「流行」を追い求めすぎて、「不易」なものを忘れているように思えてなりません。
皆さんは、人として「不易」なものを持ち続ける中で、新しいものを取り入れ、この激しく変化する社会の中で、立派に成長し、貢献できる人間となることを願っています。

最後になりましたが、保護者のみなさま、本日は、お子さまのご卒業、心よりおめでとうございます。
惜しみなく愛情を注いで育ててこられたお子さまが、ここにめでたく卒業式を迎えられ、そのお喜びは、言葉に尽くせぬものがあるのではないかと存じます。
心より、お祝い申しあげます。
3年間、本校の教育活動に、ご支援、ご協力を頂き、誠にありがとうございました。
今後とも、我々教職員一同、力を合わせて、まじめに頑張る生徒が、生き生きと活躍でき、正しく評価される学校、安全で、安心して「生きる力」を身に付けることのできる学校を目指してまいりますので、末永く、西中学校に、お力添えをいただきますよう、お願い申しあげます。

ご来賓の皆さま方、子ども達は、今後も地域の中で育って参ります。
地域社会の一員として、時には厳しく、時には温かく、見守っていただき、ご指導くださいますよう、お願い申しあげます。
今後、より一層、西中学校にお力添えをいただきますようお願い申しあげ、私の式辞といたします。

平成30年3月14日 
大阪市立西中学校
校長 山岡 良知