学校日記

自分ひとりぐらい… 〜 中学校オンライン全校集会

公開日
2020/12/22
更新日
2020/12/22

校長先生の“夢”ブログ

ある村で何十年も先生をやった方がいました。その先生が、故郷に帰ることになりました。とてもお世話になった先生なので、村人たちは何か贈り物をしようと話し合いました。でもその村はとても貧しい村で、先生にお金をかけて贈り物をする余裕はどこの家もありませんでした。そこで村人たちは、村の名産であるワインを贈ろうと決めたのでした。

村の広場には大きな樽が置かれました。
そしてそれぞれのお家では、自分の家で作ったワインを少しずつ持ち寄って樽に入れ、先生に渡しました。先生は、思いがけない贈り物に感激し、感謝を伝えて故郷に帰りました。

それから数日後のことです。
「さて、いただいたワインを味わってみることとするか」
先生は楽しみにしていたワインを飲むことにしました。
その時です!
ワインを口にした先生の表情は、「期待と喜び」から「疑惑と驚き」へとみるみる変わったのです。
なぜかというと、グラスに注がれた液体は、どう味わっても「水」だったのです。



この話を理解できましたか?
つまり村人たちは、「自分ひとりぐらい、ワインでなく水を入れたところでわからないだろう。もったいないから水を入れておけ…」と考えたのです。
「自分ひとりだけなら…」とみんなが考えてしまったら…。

今、9年生と面接練習をしています。
そこでは「みんなで協力し合ってがんばったこと」がたくさん語られています。
「自分ひとりぐらい…」ではなく、『一人ひとりがみんなのためにがんばろう』と考えたからこそ、大きな思い出・財産になっているのだと思います。

この話を聞いて、みなさんは何を感じましたか?


※12月22日 中学校オンライン全校集会 校長講話より