5/11 全校集会(いじめ・いのちについて考える日)
- 公開日
- 2026/05/11
- 更新日
- 2026/05/11
校長より
本日の全校集会では、陸上部の賞状伝達と、校長講話「いじめ・いのちについて考える日」に関する話を行いました。
はじめに行った賞状伝達では、陸上競技大会で優秀な成績を収めた生徒を全校生徒の前で表彰しました。日々の努力を積み重ね、目標に向かって粘り強く取り組んできた成果が表れたものです。
続いての校長講話では、「いじめ・いのちについて考える日」にあわせて、「相手を大切にすること」や「いのちの重み、大切さ」について話をしました。
また、「困っている友だちがいたときに、見ているだけではなく、声をかけたり、相談につなげたりする勇気を持ってほしい」という話もしました。安心して過ごせる学校は、一人ひとりの思いやりや行動によってつくられていきます。
これからも、互いを認め合い、安心して過ごせる学校づくりを大切にしていきたいと思います。
校長講話(要約)
今日は「いじめ・いのちについて考える日」です。皆さんと一緒に、「いじめ」と「いのち」について考えてみたいと思います。
まず、「いのち」についてです。皆さん一人ひとりの命は、この世界に一つしかない、かけがえのないものです。同じ顔の人がいないように、同じ人生もありません。皆さん一人ひとりが、大切な存在です。そして、その命は、自分だけのものではありません。父母や祖父母、さらにその前の世代から、脈々と受け継がれてきた大切な命です。
だからこそ、人の心を傷つけ、場合によっては命さえ奪ってしまう「いじめ」は、決して許されるものではありません。
昨年度の学校生活アンケートでも、「いじめはどんなことがあってもいけないことだと思う」という質問に対して、およそ96%の人が、「そう思う」と答えています。ほとんどの人が、いじめは許されない行為だと分かっているはずです。それでも、なぜ、いじめは起こってしまうのでしょうか。
昨年、先生は、明治大学教授の諸富 祥彦先生の言葉を紹介しました。諸富先生は、「いじめの本質は、空気です。空気に逆らえなくなることです。」と述べています。
ここでいう空気とは、「いじめてもいい」「からかっても仕方がない」などいじめることをよしとするその場の状況や雰囲気のことをいいます。その空気に、被害者も、加害者も、周りで見ている人も支配されてしまい、「何かおかしいな」と思っていても、笑ってしまったり、止められなかったり、見て見ぬふりをしてしまったりする。そして、いつの間にか、人が深く傷つき、命まで脅かされてしまう。それが、いじめの正体であり、恐ろしさだと先生は話されています。
いじめの本質が空気だとすれば、いじめを防いだり、いじめをなくすためには、いじめをよしとする空気に支配されないようにすること、この空気を作り出さないようにしなければなりません。
そのために、被害にあっている人は、自分の置かれている状況が、「これはいじめではないかな」と気づくことです。その気づきが、いじめを解決していくスタートだと言われています。いじられたり、仲間外しにあったり、SNSに嫌なことを書き込まれたりするなど、いじめにはさまざまな形があります。そのときに、「いやだな」「おかしいな」と感じる自分の気持ちを大事にすることです。
「自分がいじめられているとは思いたくない」と感じることもあるかもしれません。でも、「もしかしたら、これはいじめかもしれない」と感じたら、一人で抱え込まず、先生や保護者、信頼できる人に相談してみてください。その行動が、いじめの空気が広がるのを止め、いじめを解決したり、未然に防いだりすることにつながっていきます。
そして、先生は、「いじめをよしとする空気」に支配されないために大切なのが、「利他の心」だと思っています。「利他の心」とは、自分のことだけでなく、相手のことを考え、相手を大切にしようとする心です。
例えば、「この言葉を言われたら、相手はどんな気持ちになるだろう」、「こんなことされたら、相手は嫌な思いがするのではないか」、「自分の周りで、しんどい思いをしている人はいないだろうか」、「みんなは笑っているけど、本当にこれは正しいことなのだろうか」、そんなふうに、一度立ち止まって相手の立場を考えることです。
いじめが起こるとき、多くの場合、「誰かを傷つけてもいい」という空気が少しずつつくられていきます。そして、その空気に流されると、「おかしい」と思っていても、一緒に笑ってしまったり、見て見ぬふりをしてしまったりします。
しかし、「利他の心」を持っている人は、その空気に流されたりはしません。
相手の痛みに気づこうとする。困っている人に声をかけようとする。誰かが傷つくことには一緒に笑わない。必要であれば、先生や大人に相談する。そうした一つ一つの行動の積み重ねが、「いじめをよしとする空気」を変えていくのだと思います。
学校や学級の雰囲気は、皆さん一人ひとりの言葉や行動、友だちへの接し方の積み重ねによってつくられていきます。だからこそ、「自分さえよければいい」ではなく、「周りの人が安心して過ごせているだろうか」「困っている人はいないだろうか」と考えられる、「利他の心」を大切にしながら行動できる人になってほしいと思います。
そんな人の一つ一つの行動が、安心して過ごせる温かな雰囲気の学級をつくり、誰もが大切にされる学校につながっていきます。
今日の「いじめ・いのちについて考える日」をきっかけに、自分自身の言葉や行動を振り返り、「利他の心」を大切にした言動を心がけてほしいと思います。