〈視野は広がり、心は深まる〉知夫里島、到着
- 公開日
- 2025/06/13
- 更新日
- 2025/06/13
お知らせ
船が静かに知夫里島の港へと滑り込むと、デッキには次々と生徒の姿が現れました。まるで自然に導かれるかのように。彼らは誰に言われるでもなく、自ら海風の中へと足を運び、この最後の島の姿を目に焼き付けようとしていました。
隠岐諸島、それぞれの島が異なる表情を持ち、それぞれの土地に異なる学びの種がありました。生徒たちは、島を移るごとにその違いに気づき、比較し、そして味わう力を身につけていったのです。
「知夫里島か……」と、声に出す生徒もいましたが、その響きは単なる地名ではなく、“次なる気づきへの予感”のように聞こえました。最初の島での無邪気さは、すでに姿を変え、落ち着きと観察力を帯びたまなざしに変わっています。
島を見るその目には、どこか敬意がありました。自然への、文化への、人々への、それは旅の経験が生徒たちの中で確実に育っていることの、静かで何より確かな証です。