学校日記

〈風土の差異を身にまとう〉境港帰着、そして学校へ

公開日
2025/06/13
更新日
2025/06/13

お知らせ

隠岐の島での探究の時間を終え、生徒たちは本土・境港へと帰着いたしました。これよりバスにて、学校を目指して移動を開始いたします。帰校予定は、当初の計画どおり18時30分。旅は、最後の一呼吸へと向かっています。

フェリーを降りた瞬間、生徒たちの口から自然と漏れたのは「暑い」「空気が重い」という言葉。これは単なる嘆きではありません。わずか数時間前まで過ごしていた隠岐の島町の空気と、同じ島根県本土に広がる気候との“明確な違い”を、皮膚感覚で把握した、れっきとした環境学習の一環です。

隠岐の海風は軽やかでした。澄んだ大気に包まれていた時間の記憶が、境港の湿り気の中で際立ちます。この体感は、言葉で教えるよりも深く、気候条件と生活感覚の関連性を生徒に刻みました。

「なぜ、ここまで違うのか?」この問いは、決して曖昧な憶測からではなく、体験と観察に基づく明快な学習の起点です。海流の影響、地形の起伏、都市化の進度など、要因を多角的に考察する契機となります。

このようにして生まれた違和感は、やがて“仮説”へと姿を変え、“調査と検証”を伴って次なる学びへ導くでしょう。教育とは、何を教えたかではなく、どのように気づかせたか、その原則を体現した瞬間が、ここにありました。