学校日記

「ノートルダム大聖堂での不思議な体験」 No.3

公開日
2019/04/19
更新日
2019/04/19

校長室コラム

4月15日夜、フランスのパリでは、ノートルダム大聖堂で大火災が起きました。

ノートルダム大聖堂はゴシック建築を代表する建物であり、世界遺産にも登録されています。

 大学卒業の年、私はアルバイトでお金を貯めて、生まれて初めての海外旅行を友達と計画してパリを訪れました。フランスでは、パリのノートルダム大聖堂を見学に行きました。ちょうどそのとき、パイプオルガンの練習をされていて、ゴシック建築の建物の中で響き、その荘厳さは音楽に体が包まれるようでした。音楽に感動しながら太陽の光により色鮮やかに光を放つステンドガラスを見つめていると、椅子に座っていたフランス人の老夫婦が手招きをして、私を呼んでいます。横に座ると、おばあさんが私の肩を抱きながら「こちらから見てごらんなさい。」と、絵の説明をしてくださりました。私は、フランス語は「ボンジュール(こんにちは」」と「メルシー・ボークー(ありがとうございます)」しか知りませんでしたが、不思議なことに、おばあさんのステンドガラスの絵の説明がわかったのです。言葉を超え、心から心に、直接気持ちが伝わってきたようですごく感動し、涙がボロボロ流れてきました。とても不思議な感覚でした。やさしくてあたたかなおばあさんの心が、私の心に伝わったのです。

 言葉をこえて伝わる思いというものがあるということを、実感じました。ノートルダム大聖堂大火災のニュースを聞いたとき、大変悲しく思いました。一日も早く修復されることを願っています。