6年・キャリア教育〜テレビの仕事〜
- 公開日
- 2016/01/21
- 更新日
- 2016/01/21
学校日誌
今日からゲストティーチャーによる6年生のキャリア教育が、本格的に始まります。
「テレビの仕事」は、この情報化社会の中で、ネットやモバイルの進化と連動しながらも、無くなることはありません。
NHK大阪でチーフディレクターを務める大北晶子さんに、ディレクターの仕事ややりがい、そして社会人になるまでの話を聞きました。
簡単な自己紹介のあと、
「私は小学校のころ、学校で1人だけみんなと決定的に違うところがあった。見てわかる人はいますか?」
と投げかけられました。
1人の児童が気がついて、答えました。
「手が違う。」
そう、大北さんは1歳の時に左腕を病気で失い、義手をつけているのです。差し出された義手を差し出し、握手をして回る大北さんに子どもたちはビックリしていました。
子どものころ、義手のせいでいじめられたこと。水泳ができない、雑巾がしぼれない。できないことだらけで、劣等感でいっぱいだったこと。
率直に語られる過去と、その辛さを受け止め、逆に就職の時には強みにして仕事に就いたこと……。
「世の中の当たり前を疑う気持ちを持ってほしい。知ることで世界は変わるんだよ。」
力強いメッセージを、子どもたちはしっかり受け止めていました。
ディレクターは監督の仕事であることを学び、その上でインタビューを編集するワークをしました。
インタビューを起こした文章から、話した人の思いが強く伝わるメッセージを拾ってつなげます。
子どもたちの意見に、逆に大北さんが「そうか!そんな意味にも聞こえるなぁ」と感心する場面もありました。大北さんの編集したインタビューを見て、言葉の順序も入れ替えて短くまとめられていることに、驚きました。
「たとえば、担任の阪口先生のインタビューを私が撮って、編集次第で『いい先生』に見せることも、『悪い先生』に見せることもできる。表情やセリフのつなぎ方で、印象は変えられるんだよ。だからテレビに映ってない部分やセリフを考えて観ることも大事!」
と、メディアリテラシーにつながる話もしてくださいました。
「知ることで、ダメだと思っていた問題が解決したり、がんばっている人の存在に励まされたりする。いろんな人に出会えて、紹介して、希望や解決策を観る人に届けることができるディレクターの仕事は、楽しいです。」
障がいがあっても、パワフルで明るい大北さんに「かわいそうだなぁと思ったことを反省し、つらいこともプラスに変えられるんだと納得した」と感想を書いた児童もいました。
最後に、「みんなにも話を聞かせてもらうことがあるかもしれないから」と大人に対するように、名刺を配ってくださいました。
子どもたちは、ちょっと「仕事」が身近なものになったようでした。
「障がいは私のオリジナリティ」
自分の持つマイナス面を、悲しむだけでは前を向けない。子どもたちにとって、素敵な出会いになったのではないかと思います。
次回は1月25日(月)に、毛糸作家の方から「クリエイターの仕事」を学びます。
【担当・校長】