学校日記

校長メモ 4月21日(水)  「学び」の保障

公開日
2021/04/26
更新日
2021/04/26

校長メモ

 4月19日、緊急事態宣言が出されたら、原則オンライン授業に切り替えるとの大阪市長の発言をテレビニュースで知りました。
 本校では、2月13日に保護者の皆様のご協力を頂き、オンライン土曜授業を実施しました。デジタル教科書での音読や動画配信など手探りでいろいろと試してみました。つながらないなどの不具合も発生し、学校側の機材や通信環境の問題から授業と言えるような質の高いオンライン授業を行うことはかなり難しいと実感しました。また、子どもたちの経験の差も大きく、4〜6年は慣れれば一人でも機械の操作はできると思われますが、3年生以下では、保護者の方のサポート無しには、厳しいと感じました。大学生でもオンラインで長時間の講座を受けることはしんどいとの声があがっているように、小学生ではさらに大きなストレスにつながることも懸念されます。このように、まだまだオンライン授業には解決すべき課題がたくさんあると思います。
 また、通信環境の問題もあります。昨年度のオンライン土曜授業に向けての準備段階では、多くの端末を一度に動かすことは難しく、学校での操作練習がなかなか進みませんでした。現在ではかなり改善されたとは聞きましたが、未知数の状態です。
 昨日、保護者の方から頂いたデジタル版新聞の記事に「対面授業とオンライン授業といずれかを選べる形が望ましいと思う。ただ、機材の数や教員のスキルは学校によって異なる。丸投げしたら、学校間で格差ができる。活用をただ呼びかけるのでなく、ICT(情報通信技術)専門の教員を置くなど具体的な対応をしてほしい」というご意見が載っていました。小学校では、学級担任制なので、登校した子どもの授業とオンライン授業を、一人の担任が同時に行うことは難しいです。現在の学校のICT機器の環境では授業の様子をそのまま配信することはできますが、それでは学びの保障にはならないと考えられます。教科書会社などが学習コンテンツを開発し、配信すれば質の高いオンライン授業ができることでしょう。しかし、本当にそれが小学生の子どもの成長にとって大切なことか、疑問です。人間としての成長は、算数の力、国語の力、社会の力などの教科学習の力の足し算ではありません。
「主体的・対話的で深い学び」の大切さを文部科学省は言っています。それは、日常の生活における人と人との関わり合いを通して培われるものではないかと思います。学校が「学びの場」としてリアルに存在していることの意味は大きいと感じます。

 昨日より、一人一台端末の新年度への移行作業を子どもたちと行い、自宅に持ち帰ることができる準備を進めています。新2年生は、本年度はじめてクロムブックを使いうため、操作に慣れるにはもう少し時間がかかりそうです。新1年生は、旧のタブレット端末を使いますが、初期設定を今行っているため、実際に操作練習をするのは明日以降になります。

 今、大阪の感染拡大は大変厳しい状況にあります。誰しも感染するリスクがあります。学校では、子どもたちが不安を感じないことを願って、手洗い、マスク、消毒、換気など基本的な感染症対策を地道に行うことしかできません。そして、子どもたちが笑顔で安心して学校生活を送ることができるよう、日々の学習や活動を丁寧に行うことだと考えています。
              校長 久保 敬