学校日記

「子どもが育つ」ということ

公開日
2020/05/12
更新日
2020/05/12

お知らせ

 昨年度の話です。
 朝、校門のところに立っていると「おはようございます」と元気な声で挨拶をしてくれる子どもがいます。とっても気持ちがよくなります。さっそく、朝の全校朝会の時に、その話をします。
「校長先生が、今朝、校門のところに立っていると、2年生の〇〇さんと〇〇さんがとっても気持ちの良い挨拶をしてくれました。きっと、挨拶をされた校長先生だけではなく、挨拶をしっかりした2年生の○○さんたちも気持ちがよかったのではないでしょうか。実は、この『気持ちいいなあ』と感じることはとっても大事なことなのです。」
 次の週の全校朝会では、トイレのスリッパを揃えていた1年生の話をします。
「校長先生が、休み時間に1階のトイレの前を通ると、1年生の○○さんが、トイレのスリッパを黙って揃えていました。誰も見ていないのに、○○さんは自分の使ったスリッパだけではなく、そのほかのスリッパも丁寧にそろえてくれました。思わず、『○○さんえらいねえ。ありがとう。』と声をかけました。その後、とっても気持ちのよさそうな顔で教室に戻っていきました。きっと、○○さんは、誰かに褒めてもらいたいから、トイレのスリッパをそろえたのではなく、自分が気持ちいいからそうしたのだと思います。」

「自分が気持ちいいから、朝の挨拶をする」「自分が気持ちいいので、トイレのスリッパをそろえる」ことで、自分も周りの人も気持ち良くなります。このような「自分が気持ちいい」ことをどんどん繰り返していくと、次第に、自分を肯定的にとらえることができるようになります。失敗をしてもくじけず、最後まで粘り強く取り組むようになります。自分に自信があるからです。周りのお友だちに対しても、否定的な態度をとらずに、人の話もしっかりと聞くようになります。大事なこととそうでないことの区別がついてきます。自分の考えも醸成されていきます。そして、最終的には、このような経験を何度も積み重ねていくことで、自分でこうなりたいなあと思ったこと(例えば、勉強ができるようになりたい。友だちがたくさんほしい。等々)も現実になってくるのです。

 このことは、学校だけのことではありません。お家でも、「進んで宿題を済ませていた」「黙って、洗い物を流しのところまで運んでいた」という時には、大いに褒めるとともに、その時の気持ちを聞き出して、素晴らしいことであると言ってあげてください。そういうことを繰り返していくことで、「褒められるから〇〇をする」のではなく「自分が気持ち良いので〇〇をする」という習慣化(当たり前のようにできる)につながっていくと考えます。学校も家庭も地域も一緒になって、より良い方向に向かって子どもを育てていきましょう。

5月11日(火)                
                      校長 栗 田 稔 生