令和3年度 入学式 式辞
- 公開日
- 2021/04/05
- 更新日
- 2021/04/05
校長メッセージ
中庭の桜も盛りを迎えた、 今日のこのよき日に、本校の門をくぐられた新入生のみなさん、本当にご入学おめでとうございます。
本日、本校第五十四回入学式を挙行致しましたところ、
本来ならここからお祝いの言葉を述べていくところなのですが、校長先生の顔を見てもらってわかるようにマスクをしています。こちらから見るみなさんも全員がマスクをしている顔が見て取れます。また、後ろに控えている保護者の方々もマスクをしています。この様子が、新たな日常というのなら、一刻も早く「昔の日常」に戻ってもらいたいものです。
さて、君たちを長吉西中学校に迎えて、「さあ、これから一緒に頑張っていこうね」とお祝いの言葉を考えていたところ、大阪のコロナウイルス感染者数が六百六十六人になってしまいました。もちろん過去最高です。その中で、新入生の君たちはワクワク感をもって、どんな部活に入ろうかと考えていたことでしょう。あるいは中学校の授業も話には聞いているけれど、実際はどんなもんだろうか。希望に胸膨らませ今日の入学式迎えてくれたことと思います。ところが、先ほどから申し上げているように新型コロナウィルス感染防止のためとはいえ、君たちが小学校の卒業式で体験したように、このような事態の中で入学式を行わなければならないことについては、大変心苦しいところであります。
例年、つまり毎年の入学式では三つのお願いをしています。一つは、まずしっかり勉強をしましょう。二つ目は部活動に入ってください。三つめはしっかりと「あいさつ」をしよう、ということです。しかしながら今日は別のことをお願いすることにします。最初の三点に関しては、次に君たちに会ったときにお話しすることにしましょう。
ここでお話するのは、もちろん新型コロナウイルス感染症防止のことです。ある意味、人類の歴史は疫病・流行り病との戦いの連続でした。ヨーロッパで広まったペスト。日本では江戸時代のコロリ。あるいは近くでは、今はインフルエンザの一つの型となっているスペイン風邪。人類の長い歴史の中で多くの尊い命が失われてきました。
しかし、明けない夜はありません。この新型コロナウイルスを克服できるのは目の前です。なぜなら、ワクチンが行き渡れば今の新型コロナウィルス感染症もインフルエンザと同様になるからです。それではそれまでの間、中学生になった君たちは今何ができ、何をしなければならないのでしょうか?小学校でも繰り返し言われてきたことですが、マスクをすること。密にならないこと。そして、手洗いをすることの三つです。それをすることによって、君たちの周りの大切な人の命を守ることにつながるのです。本来なら夢いっぱいの中学校生活を切ってもらいたいところですが、窮屈なスタートをお願いすることとなりそうです。入学式の校長先生からのメッセージとしては、はなはだ厳しいものとなりました。とは言え、中学校生活はやっぱり楽しいですものです。いわゆる青春期に入る君たちです。いろいろなことにチャレンジしていってください。
最後になりましたが、保護者の皆様、お子さまのご入学おめでとうございます。
本日から、卒業までの3年間、子どもたちが心身ともに健全に、楽しい学校生活を送れるよう教職員一同誠心誠意、努めてまいります。しかしながら、学校だけでは、その目標が達成できるものではありません。保護者の皆様と学校が子どもを育てる大人の責任として、協力し合うことが何よりも大切だと思っております。また、先ほど生徒のみなさんに語ったように、お子様は少年期から青年期へと入っていきます。これは、言い換えれば大人の仲間入りをしていくということです。これまでは、あれこれ指示したり、先回りして転ばぬようにと配慮されてきたでしょうが、「見守る」ことの大切さを噛みしめ、自立を促すよう、お願いいたします。
そして、何度も申しあげますがこのような状況でありますので、いつなんどきどのような事態に陥るかわかりません。しかし、私たち教職員一同は、しっかりとお子様を守り育てていく所存ですのでご安心ください。
本日の入学式にご臨席いただき、新入生を温かく励ましてくださいました、すべての皆様に、感謝とお礼を申し上げまして、私の式辞といたします。
令和3年4月5日
大阪市立長吉西中学校長 福井 司