学校日記

1学期始業式【校長講話】

公開日
2021/04/08
更新日
2021/04/08

校長メッセージ

 おはようございます。いよいよ新学期が始まりましたね。今の気持ちはどうですか?もちろんのこと「がんばるそ」「やったるぞ」と前向きな気持ちでいっぱいだと思います。テンションの高さはそれぞれでしょうが、逆にそんな気分ではないという人がいたら心配です。いくら、今日からしばらくの間はヤル気がいっぱいとなってほしいですね。ヤル気のある今の気持ちを、いつまで持続できるかということが成功のカギにもなってきます。
 昨年は、学年を2分して、分散して始業式を実施しました。その中で、
「おはようございます。久しぶりですね、こちらから見る限り元気そうに見えますが、「外に出ないように、できる限り家にいるように」と言われても、体を動かしたくてしかたない年代の君たちには酷だったような気がします。言うまでもなく、新型コロナウィルスの流行で君たちの年代は発症しないか、発症しても重篤化、つまり大事には至らないようですが、おうちの人の中で高齢者、おじいさんやおばあさんにうつすと肺炎になって一大事になる可能性が高いと言われていますので、注意して行動してください。」
 と、いうお話をしましたその意味では、みなさんは本当によく我慢してくれた思います。学校内でのクラスターも起こらず、これもみなみなさんのお陰だと感謝しています。またこれから、何回も新型コロナウイルスのお話をしなければならないと思います。その時は「またその話か」と言わず聞いてくださいね。

 さて、今日は新年度を始めるにあたって「努力すること」のお話をしたいと思います。競泳の池江璃花子さんのお話です。知っての通り、白血病を経験した池江さんの頑張りを称賛する声があふれかえっています。本当に素晴らしいことですし、白血病を専門に治すお医者さんでさえ、「率直に、本当にすごい」と驚きの声を上げています。今からするお話は少し視点を変えてのお話です。決して、池江さんをディスする考えは全くないことを最初にはっきりと断言しておきます。
 池江さんは、レース直後のインタビューで「自分がすごくつらくてしんどくても『努力は必ず報われる』んだなんていうふうに思いました」と語っています。それは、確かにそうでしょう。しかし、校長先生は思うのです。それでは、2位以下の人は努力していなかったのでしょうか。そんなことは、ないはずです。でも、そのことはクローズアップされないのです。また、おなじ競泳の話ですが、東京オリンピック選考会での女子の200m個人メドレー決勝は1位の寺村選手が2分9秒55、2位の大橋選手が2分9秒67、3位の大本選手が2分9秒85の1秒以下のコンマの差で3位の大本選手はオリンピックの出場権を取ることはできませんでした。表彰台で3位の大本選手は明らかに泣いていました。彼女のコメントは新聞等では見られませんでした。想像でしか言えませんが、悔しさのあまりの涙と校長先生は感じました。この、大本選手に対して「あなたの努力が足らなかったからだ」と誰が言えるでしょうか。努力しても報われないこともあるという現実があるということは知っておいてください。しかしながら、「努力してもムダ」だと言っているのではないことは、強調しておきます。努力することは最低限必要です。校長先生の話を勝手にいいように、解釈しないでくださいね。
 池江さんの言葉は、こう理解すべきです。それは「努力は報われた」と。結果なんですね。もっと言えば、「正しい努力をすれば、報われる可能性は高くなる」と言えると思います。正しい努力とは、この池江さんの場合は複数のコーチがいて、マネージャーがいて、主治医がいて、科学的な練習と生活改善があってこその結果だと思うのです。
 それでは、みなさんにとってコーチでマネージャーは誰なのでしょうか?それはもちろん先生方です。勉強も部(クラブ)活動も正しいやり方でないと身につきません。やみくもに、時間だけ費やしても無意味とまでは言いませんが、努力が報われるまでにはかなりの時間がいると思われます。ぜひ、各教科の先生そして担任の先生にどんどん質問してください。何を質問したらいいかわからない人もいるでしょうが、「何を質問したらいいのか、質問しに来ましたで」でも1回目はいいと思います。勉強のやり方がわからない人、勉強をやっているつもりでも成果が出ていない人は、すぐに質問に行きましょう。部(クラブ)活動においても同様です。それを断る先生は長吉西中学校にはいないと校長先生は確信していますから。
 まずは、学期始めのお願いの一つ目としての「勉強する」ことに関して、「正しい努力をしよう」、ということをみなさんに伝えておきます。