学校日記

全校登校日【校長講話】要旨

公開日
2021/08/03
更新日
2021/08/03

校長メッセージ

 おはようございます。せっかくの全校登校日なのですが、久しぶりの雨です。ゲリラ豪雨がありましたが、朝から雨が降ったのは7月8日以来のようです。それはさておき、夏休みのここまで、2週間は計画通り進みましたか?「エッ、計画?」と言っているそこの人、ダラダラすごしてはいませんよね?ぜひ、今日を契機に計画の見直しをしてください。夏休みはまだ20日以上もあります。限られた中ですが、やることはやって、そして楽しむことも忘れないでください。
 さて、昨日から4度目の緊急事態宣言が発出されました。大阪の医療体制も、またまた厳しくなりそうです。前回のような医療崩壊にならないように、ということでしょうが、なかなか自分の身の回りに起こらないと、人間は気をつけようとは思わないようです。東京でのBMXの試合会場周辺の橋からは会場内を覗けるとあって、多くの人が密になっていました。ああいう映像を見ていると、「人間って、ええ加減なもんだなあ」と思っていますが、2学期になれば、全学年とともに一泊移住や修学旅行など泊行事や体育大会、文化発表会などの行事が目白押しですから、我こととしてこれまで同様に感染対策をお願いします。暑い中のマスク着用はたいへんのはよくわかっています。つける時と外すときのメリハリをしっかりとつけるようにしてください。
 前置きが長くなりました。今日登校してもらったのは、長吉西中学校恒例の「平和を考える日」というのがテーマです。2年前までは、事前に折鶴をみんなで作って、生徒会執行部がそれをもって「田辺模擬原爆慰霊式典」に代表参加してきました。すでに配られている人権・平和ニュース1『いのち』を読んでくれているとは思いますが、少しそれについて触れたいと思います。
 1945年7月26日に地下鉄谷町線田辺駅近くに通常爆弾の5倍の爆弾を、のちに長崎に投下した原爆に見立てて投下しました。死傷者14名、倒壊家屋485戸、焼け出された人1645人と甚大な被害が出ました。初めての原爆を落とすために、練習として本来は富山県の軍関係機関に落とす予定が、悪天候のために大阪に変更されたのです。のちの長崎に投下された原子爆弾も、本来は福岡県の北九州市小倉に落とす予定が、これまた悪天候のために長崎に変更になったのです。
 この原爆投下によって、広島で少なくとも14万人・長崎7万4千人の方が亡くなりました。そしてその多くが一般人でした。最近ニュースで「黒い雨」という記事を見た人もあるかと思います。あれは、原子爆弾でできた通称キノコ雲が発生し、その雲から放射能を含んだ雨が降ることをいいます。放射能を含んだ雨を浴びるわけですから、その後、身体に悪い影響=白血病(血液のがん)が出ることは、容易に想像できますね。広島と長崎には原爆専門の病院があります。そこには戦後76年もたっていながら、入院患者800人、外来患者2000人の人たちが、いまだに主に「白血病」で苦しんでいます。日本は唯一の戦争被爆国です。これは、忘れてはなりません。戦争体験をした人が少なくなる一方ですが、語り継ぐことはますます重要になってきます。まさに、模擬原爆は広島・長崎の大量殺人のための人体実験であり、悪魔のリハーサルでした。
 このあと、教室で、この夏の8月だからこそ、しっかりと「いのちの大切さ=平和の大切さ」考えてください。その後に「折り鶴」を作ります。この「折り鶴」を集めた千羽鶴ですが、日本には江戸時代からありました。平和の願いを込めるようになったのは、この原爆投下と大きな関係があります。それも、これを契機に知ってくれたら思います。ぜひとも、平和を希求して=心をこめて折ってください。以上です。