5月9日の全校集会
- 公開日
- 2016/05/09
- 更新日
- 2016/05/09
つぶやき
9日の中学校の全校集会での話
ゴールデンウィークも終わりました。皆さんはどう過ごしましたか?
私は美術館に行ったり、本を読んだり、のんびりテレビを見たりして過ごしました。で、ドラマ「ガリレオ」の再放送を見ていて、少し考えました。
ドラマの中で「科学は原子爆弾などを開発したりして、人類にとって良いことはない」、だから「科学者はみんな悪だ」と非難するシーンがありました。(細かい表現は少し違うかもしれませんが)そうなのか?
若い頃、個人的に尊敬していた東京工業大学の名誉教授の森政弘先生の本で読んだ話ですが、例えば、刃物があります。これを人殺しに使ったら、ドスになります。しかし、手術に使ったらメスになり、人を助けます。この場合、刃物は善なのでしょうか、悪なのでしょうか。刃物が発明されて以来、どれだけの人が殺されてきたことでしょうか? それを発明した大昔の人は大悪人なのでしょうか? そうじゃないですよね。自分たちの生活を豊かにするために刃物として骨や石器を使って、それらを更に金属にと発展させてきました。人類の素晴らしい知恵なのです。
そう、結局は使う人によるわけですね。
「寸鉄人を刺す」という言葉をご存じですか?
直接的には寸鉄、すなわち小さな刃物でも人を殺すことができるという意味ですが、鶴林玉露という中国の古い随筆集にある言葉で、「短く鋭い言葉で人の急所をつくたとえ。」です。
これを敷衍すると、ちょっとした言葉でも人を傷つけることができると言うことです。
私たちは言葉を使えます。でも、その言葉を良いように使うのか、人を苦しめるように使うのか。それはあなた次第なのです。
気をつけなければならないのは、自分ではそうと思っていなくても、あなたの発した言葉が相手に刃物のように突き刺さってしまうことがあると言うことです。言葉の使い方は、注意する上にも注意する必要があります。それを修復するのもまた言葉です。言葉をうまく使えるようになってください。そして、今日から本格的に始まる一学期の中で素敵な人間関係を育てていってほしいと思います。