研究会の活動

国語部 総合研究発表会Ⅱ 本年度の研究の概要

公開日
2026/02/13
更新日
2026/02/13

国語部






















令和7年度
国語部 研究主題


  「自らの学びを創ろうと主体的に学び続ける学習者を育む国語科学習」



 国語部では、これまでの研究の成果と課題をふまえ、今年度の研究主題を「自らの学びを創ろうと主体的に学び続ける学習者を育む 国語科学習」としました。具体的には、「自分で学び方を選び、学びを進めている実感」をもちながら学ぶ学習者の姿、他者と協働しながら学ぶことに、喜びや価値を感じ、集団として学びを深め、ともに高め合おうとする学習者の姿勢を、国語科の学習を通して育みたいと考えました。 



 「学びのつながりを重視して」という研究の副題には、以下のような、三つの意図を込めています。

 一つ目の、「学習者が自らの学びの積み重ねを実感する」とは、学習者自身が、「これまでの学習で、自分たちはどのような力を身に付けてきたのか」「これまでに身に付けてきた力のうち、今回の学習で生かすことができそうなものはどれか」を自覚した上で学習にのぞむことができるということです。 

 二つ目の、「学習者が交流を通して個々の学びをつなげる」とは、学習者が互いの考えや、その理由、根拠を交流することによって、自己の考えを変容・発展させながら課題の解決へと向かおうとすることです。

 三つ目の、「学習者が国語科の学習を通して学んだことを日常生活につなげる」とは、単元の学習での学びが、その時間だけの学びにとどまらず、学習者の日常で生きて働き、将来的にも役立つものになっていくということです。

 このような姿の実現を目指して、研究を進め、めざす学習者像を設定しました。各委員会ごとの、めざす学習者像は、次の通りです。





 【低学年委員会】 文章の内容と自分の体験とを結び付けて理解しながら、自分の思いや考えをもとうと楽しんで読む

 【中学年委員会】 文章を読んで理解したことに基づき、自分の思いや考えをまとめようとしながら進んで読む

 【高学年委員会】 文章を読んで理解したことに基づき、自分の思いや考えを広げようとしながら進んで読む

 【書写委員会】  文字を大切にし、学んだことを日常生活に生かそうとする



 

 以上に述べたような学習者の姿を実現するために、指導者は、何を、どのようにするのかという、研究の視点について、お話しします。

 研究の主題、副題、目指す学習者像を実現するための、具体的な方策を三つの視点から研究しました。それぞれの視点における、具体的なポイントをお伝えします。

 視点1 学習者が「学びのつながり」を意識して学習を進めるための単元構想のためには、学びのつながりを重視した【「付けたい力」と言語活動の設定】、学習者が、見通しをもって主体的に学びを進めることのできるような【単元計画】、学習者が、自らの学びを自覚し、学びを調整するための【評価基準や振り返りの方法】の明確化について、研究を進めました。

 視点2 学習者が、主体的に自分の思いや考えをもったり伝え合ったりすることができる学習活動の在り方については、学習者が、進んで課題解決に向かうことができるような、【学習課題や発問の工夫】、学習者が課題解決に向かって自らの学び方を選択できるような、交流の形態・方法の工夫について、研究しました。 

 特に、「学習者が自らの学び方を選択できるような工夫」については、今年度、どの委員会でも、重点を置いて研究を進めたポイントです。たとえば、学習課題に対する自分の考えをもつための交流のタイミングを、指導者が決めるのではなく、決まった時間の中で、学習者が自由に選択することができるようにすることで、個別最適な学びの実現につながるのではないかと考えました。 また、課題に対して、ある考えをもったとき、学習者が「どのような相手とどのように交流すれば、課題に対する自分の考えがより確かなものになるか」を自ら判断し、選択することができるようにすることが、学習者の、協働的な学びへの意欲につながると考えました。

 視点3 国語科の学習と、日常生活とをつなげるための手立てについては、単元で「付けたい力」に応じた読書環境の整備や単元の学習を通して身に付けた技能を、日常生活にも生かして使うことができるように促すことを意識して、研究を進めました。

 三つの研究の視点にもとづいて、実際に、どのような実践が行われたのかについては、各委員会の発表の記事をご覧ください。 





 最後に、全体の成果と課題について

 視点1の主な成果は、単元の中で既習事項を振り返る場を設けたり、身に付けた力を生かして読むことを意識させる働きかけを行ったりした結果、学習者はこれまでの学びを生かして見通しをもって学習に臨むことができたことです。さらに、こうした単元構成により、読む目的や課題解決の必然性を感じながら学びを進めることができました。

 視点2の主な成果は、学習者が進んで課題解決に向かうことができるような学習課題や発問を工夫したことにより、どの学年においても主に比較の思考を働かせ、本文中の叙述に根拠を求めながら考えをもち、理由と共に伝え合うことができたことです。

 具体的には、学習者が課題課題に対して考えをもつ際に、決まった時間の中であれば、自由に交流のタイミングを選択できるようにしたことで「一人でじっくり考え、まとめたい」「級友と対話することでヒントを得て考えをもちたい」などの学習者のニーズを満たすことができ、個別最適な学びにつながりました。また、目的に合った相手と交流することができるように目的別の交流コーナーを設けたり、考えの相互参照ができるように学習者用端末等のICT機器を活用したりしたことで、交流により「同じ考えの人と交流することで自分の考えをたしかなものにしたい」「なぜそう考えたのか理由を聞いてみたい」という意欲をもち、進んで協働的な学びに向かうことができました。

 このように、交流形態・方法を工夫したことが、学習者が交流することの意義を実感しながら学びを進めることにつながりました。

 視点3の主な成果は、同一作者の作品やテーマを同じくする作品を読み広げる活動を単元に位置付けたり、学習者が関連図書を手にしやすい環境を整えたりしたことで、進んで読書する学習者の姿が見られたことです。また、指導者の働きかけにより、他教科の学習や日常生活において、単元で身に付けた学びをより意識して生かそうとする姿も見られました。

 

 課題については、まず、学習者が学びのゴールを意識して主体的に学習に取り組むことができるよう、指導者と学習者が評価基準を共有するための方法を学年の発達段階等を考慮しながらさらに検討することがあげられます。また、交流によって学びを深め、考えを広げることができるように、考えを交流する際の述べ方、また質問の仕方を継続的・系統的に指導することが必要とされます。そして、学習者の多様な考えを引き出したり、学習者主体の学びの場となるように、ファシリテーターとしての指導者のふるまいについて研究を進めることが求められています。

 

 大阪市教育研究会国語部では、これからも、より学習者が主体的に課題をもち、その課題を解決するために学習を進めることができるような探究的な学びの在り方を今後も工夫していきます。