鑑賞部会の報告(5)声による世界のいろいろな国の音楽に親しめるようにする。 ○アメリカ・モンゴル・インドネシア・スイスを世界地図で確認し、四つの曲がどの国の音楽なのかを想像しながら聴く。 ○曲から感じたことをもとに想像した国を発表する。 ○国を確認し、1人か複数か、男声か女声か混声かを考えながら聴く。(部分聴取) ○教科書を見て、どのように歌っているかを確認する。 ○毎時間一曲ずつ聴き、声の出し方や音色の特徴、旋律やリズムの特徴について気付いたことをワークシートに書き、話し合う。 ○声の出し方を真似して、面白さを味わう。 ★最初の時間に国当てや人数当て、男女当てなど、クイズ形式を用いたので、より興味を もって聴くことができ、それぞれの音楽の雰囲気を楽しむことができた。 ★毎時1曲ずつ聴いたので、それぞれの表現をじっくり味わって聴くことができた。 ★声の出し方を真似してみることで、その面白さや難しさを感じるとともに、様々な音楽表現があることに気付くことができた。 ★CDだけでなく、映像を見せると、さらに興味・関心が高まったと考える。 鑑賞部会の報告(4)
[視点2] 時空を越えた文化としての音楽の価値にふれ、心に響く豊かな音楽活動を工夫するとともに、生涯を通して音楽を愛好する心情を養う。
実践例 8 教材「待ちぼうけ」 北原白秋作詞 山田耕筰作曲 5年 歌詞と旋律が一体となって生み出す日本歌曲の美しさを味わいながら聴くことができるようにする。 ○教科書の挿絵で確認しながら、歌詞が中国の昔話をもとに作られたことを理解する。 ○全曲を聴き、曲の感じをつかむ。 ○言葉の意味を理解しながら歌詞の意味をたどり、朗読する。 ○1番だけを聴いて朗読と旋律を比べ、旋律の動きを確かめる。 ○グループごとに、旋律について気付いたことを楽譜に書き込む。 ○気付いたことをグループごとに発表し、掲示用拡大楽譜に書き加えて共有する。 ○「歌詞」と「旋律」という言葉を使って、本時で気付いたことを書く。 ○全曲を聴き、歌詞や旋律に合った表現の工夫をみつける。 ○声部について知る。 ★1番だけを何度も繰り返し聴くことで、五感を働かせて音楽を聴くようになり、旋律についての多くの気付きを書き込むことができた。 ★児童の個々の気付きに対して、指導者が「なぜかな?」と問うことで、共通事項に迫ることができ、気付きを深めることにつながった。 ★児童の気付きについて、言語活動だけにとどまらず、歌う・階名唱する・部分に注目して聴くなど、音楽を通したやりとりをして確かめていくことで、学級みんなで気付きを共有することができた。 ★タブレットを活用することで、グループごとの考えを画面に映し出して発表することができ、必要なものは移動して掲示用楽譜にまとめ、全体で考えを共有できた。 ★歌詞を動作化することを通して、歌詞と旋律との結びつきを体感させてもよかった。 鑑賞部会の報告(3)
(3)音楽の楽しさや美しさを共感できる指導方法の工夫
実践例 6 教材「木星」 ホルスト作曲 6年 オーケストラの響きの美しさを味わいながら、旋律の特徴を感じ取れるようにする。 ○オーケストラの楽器構成、「木管楽器」「金管楽器」「弦楽器」の音色を確かめる。 ○全曲を通して、どのような楽器が重なり合っているかを聴き取る。 ○いくつの部分で構成されているかに注目しながら聴く。 ○四つの部分の旋律の特徴を感じ取り、発表して共感し合う。 ○変化していく豊かな響きを味わいながら聴く。 ★「木管楽器」「金管楽器」「弦楽器」の音色を確認してから聴くことで、オーケストラの楽器の重なりを味わって聴くことができた。 ★四つの部分の旋律の特徴を言葉で表し共有することで、変化していくよさや面白さを感じ取って聴けた。 (4)個と集団の深まりを追求した指導形態の工夫 実践例 7 教材「パパゲーノとパパゲーナの二重唱」 モーツァルト作曲 4年 二人の歌声の掛け合いや重なりの面白さを感じ取り、想像したことを言葉で表せるようにする。 ○パパゲーノ役とパパゲーナ役に分かれて、それぞれの声が聴こえたら手を挙げる。 ○二人がどのような会話をしているかを想像し、ワークシートに記入する。 ★声の違いに着目しながら聴くことで、男声と女声の特徴を言い表すことができた。 ★役に分かれて何度も聴いて確かめることで、旋律の掛け合いや重なりを認識できた。それぞれの声が聴こえたら手を挙げることで、個の認識が集団の認識となった。 ★「二人は、どんな会話をしていますか。」と発問することにより、情景を想像しやすくなった。また、積極的に意見を出し合い、集団で共有することができた。 鑑賞部会の報告(2)
実践例 5 教材「ハンガリー舞曲 第5番」 ブラームス作曲 6年
曲想の変化を感じ取って聴くようにする。 ◯ピアノ連弾版を聴き、曲想について気づいたことを交流する。 ◯オーケストラ版を聴き、曲想の変化から曲の構成をつかむ。 ◯楽曲中のそれぞれの部分について、強弱、速度、旋律の反復などの音楽の要素をもとにワークシートに書き、発表する。 ○曲想が移り変わる様子を味わいながら全体を通して聴き、まとめる。 ★速さの変化については2拍子の指揮をすることでより強く体感することができた。 ★まとめについては、曲の紹介、ピアノ連弾版とオーケストラ版との感じの違い・どちらが好きか、などの表記が見られ、楽曲のよさを味わうことができた。 鑑賞部会の実践(1)研究主題を受けて、鑑賞部会のテーマを「心に響く音楽の味わいをめざして―聴く喜びを大切にした活動―」とし、実践研究に取り組んだ。 [視点1] 鑑賞活動と共通事項の認識をリンクさせ、音楽のもつ楽しさや美しさを個 (2)[視点1]について (1)基礎的・基本的な能力を着実に育てる指導法の研究 実践例 1 教材「きらきら星」 フランス民謡 石桁冬樹編曲 3年 変奏曲形式になっている楽曲を聴き、リコーダーの音色や旋律の変化を感じ取ることで楽曲のよさを味わえるようにする。 ◯楽曲を聴き、「はじめ」「なか」「おわり」のそれぞれの部分について、思い浮かんだ星の様子を絵に表す。 ◯それぞれの部分について、「主旋律の音がどうなっているのか」に気をつけて聴き、意見交流をする。 ◯自分の気に入った部分や心にのこったことについてまとめ、発表する。 ★思い浮かんだ星の様子を絵に描くことで、楽しんで楽曲を聴くことができた。また描いた絵を交流することで、それぞれの感じ方の違いを共有することができた。 ★なぜ自分がそのような星の様子をイメージしたのか、その理由を音から見つけることで、子どもたちは旋律に集中して聴くことができ、音楽を特徴づける要素と曲想をリンクさせて考えていくことができた。 (2)表現・鑑賞活動と共通事項の認識をリンクさせた指導展開の工夫 実践例 2 教材「白鳥」 サン=サーンス作曲 4年 旋律や伴奏の音の動き、強弱、リズム、速度など音楽を特徴付けている要素に気をつけて聴くことにより、曲想とそれを生み出す旋律の特徴を感じ取るようにする。 ◯楽曲全体の感じをつかむ。 ◯旋律(チェロ)と伴奏(ピアノ)について、それぞれの旋律の動きを感じ取る。 ◯白鳥の様子を想像しながら楽曲を聴き、旋律と伴奏はそれぞれどのような役割をもっているのかを自分なりに考えまとめる。 ★図形楽譜を活用することにより、音の動きやリズムなどを聴き取ることが難しい子どもでも旋律の特徴を捉えやすかった。 ★旋律の特徴をつかんだことにより、チェロとピアノが白鳥のどんな様子を表しているのか、根拠をもとに言葉で表すことができた。 実践例 3 教材「白鳥」 サン=サーンス作曲 4年 旋律の特徴を感じ取りながら聴くことができるようにする。 ○音楽室に掲示してある「(曲の感じを表す)言葉の一覧」を参考に、曲の感じを短い言葉でメモする。 ○強さ・速さ・リズムの共通事項をはじめとする、曲の感じを生み出している音楽的な特徴の気付きについて発表する。 ○図形楽譜を指でたどりながら、旋律の音の上がり下がりについて着目する。 ○既習曲「陽気な船長」「ゆかいに歩けば」の旋律の特徴と比べながら、気付いたことを交流する。 ★既習曲でスタッカートの歯切れの良い感じと流れるようななめらかな感じの違いを表現できていたので、「白鳥」のなめらかさに気付きやすかった。 ★既習曲で強弱の表現に意欲的に取り組んでいたので、「白鳥」の微妙な強弱の変化にも注意して聴くことができた。 ★バイオリンとチェロの音色を比べる活動など、発展的な学習にするための創意工夫をしていく。 実践例 4 教材「アイネクライネナハトムジーク第1楽章」 モーツァルト作曲 「双頭のわしの旗の下に」 J.F.ワーグナー作曲 5年 いろいろな楽器の音が重なり合う響きを味わいながら聴くことができるようにする。 ○弦楽器の種類や大きさ、演奏の仕方、大きさによる音色の高さの違いを知る。 ○全曲を聴いて、印象に残った旋律を口ずさむ。 ○冒頭は全員が同じ旋律を演奏していることを聴いて確認する。 ○旋律の重なり方が変わるところを聴き取って挙手する。 ○部分聴取し、旋律の重なり方や感じたことについてワークシートに書く。 ○吹奏楽の演奏楽器について知り、弦楽合奏との響きの違いに着目して聴く。 ★旋律の重なり方を部分に分けて丁寧に聴き取っていくことで、旋律の重なり方の違いによって感じが変わっていくことに気付くことができた。 ★2曲を聴き比べることによって、楽器の音色による響きの違いを感じ取ることができた。 |