総合研究発表会1 国語部 (書写委員会)
授業の流れは「ためし書き」「練習」「まとめ書き」を基本とし、自己評価や振り返りを重視。班活動や「ほめほめタイム」により、児童の意欲や達成感を高める取り組みも報告された。討議では、まとめ書きの枚数や書写用語の定着、準備・片付けの効率化など現場の課題が共有され、改善策が議論された。 横浜国立大学教授 青山浩之先生は、書写は単なる技能習得ではなく、課題解決型学習として位置付ける重要性を指摘。毛筆指導を通じて筆圧や筆遣いを学び、硬筆や日常の文字文化に生かすことが求められると強調した。今後の改定に向け、書写の学習を国語科の言語活動として捉え、主体的・協働的な学びを広げる方針が示された。 総合研究発表会1 国語部 (6年生委員会)
討議では、時間配分の難しさや語彙力の差への対応、焦点化の工夫が課題として挙げられた。教師は「表現が心情を支えている」ことを実感させる指導の重要性を指摘し、夢と現実の場面構造を明確にすることで、命のつながりや平和への思いに気づかせる必要性が強調された。児童が「命があるから生きている」という学びに至った点は授業の成果と評価された。 今後は、表現の効果と心情の変化をより深く結びつける指導や、教材理解を支える読書習慣づくりが課題となる。教師の丁寧な支援と子ども同士の学び合いを軸に、より主体的な国語学習の実現が期待される。 総合研究発表会1 国語部 (5年生委員会)
音読指導については、詩を用いて間やスピード、声を出す楽しさを教えることが重要とされ、年間を通じて鍛える必要性が強調された。また、視覚支援として壁面掲示や板書の工夫が有効であるとの意見が出た。児童の個人差を埋めるためには、文型の掲示や同じベクトルに向ける指導が効果的とされた。 「主題」については、学習指導要領から削除されたものの、物語の核心を捉えるために引き続き活用されている現状が報告された。評価は机間指導や児童のノート記述をもとに行い、意見交流を通じて学びを深める工夫が紹介された。討議全体を通じ、児童の主体性を尊重しながら、時間配分や教材の扱い方を改善する必要性が確認された。 総合研究発表会1 国語部 (4年生委員会)
討議では、振り返りの解釈や交流の活性化、誤読への対応などが議論された。指導者からは「本文+理由+気持ち」を書くことで振り返りになるとの意見があり、気持ちの変化を根拠とともに捉える重要性が強調された。また、提案班による読みの深まりや、児童同士の意見交換を通じた気づきの広がりが成果として報告された。 今後の課題として、めあてや課題の明確化、グループ分けの工夫、探究的な活動を支える指導法の検討が挙げられた。児童が「つぐない」や「気づいてほしい」という心情に迫ることで、物語の空所を解釈する力を育む授業づくりが求められている。 総合研究発表会1 国語部 (3年生委員会)
討議では、振り返りの書き方や掲示物準備の負担、ICTの有効性が議論された。タブレットで友達の意見を閲覧できることで、書けない児童も真似して書けるようになった事例が報告された。また、トレーディングカード形式で人物紹介を行うアイデアが注目され、Canva(キャンバ)を使った作成方法や評価の基準について質問が寄せられた。 さらに、叙述を根拠に考えさせる指導や、並行読書を促す工夫として読み聞かせや関連本の紹介が効果的とされた。ICT導入の是非や、国語における新しい手法の必要性についても意見が交わされた。授業者は「交流を通して学びが深まる」と強調し、今後はデータ化や一般化の可能性も検討される見込みである。 |