大阪市立北稜中学校

仲間だからこそ生まれた、最高の演奏 ~エンパシーにあふれた文化祭を振り返って~

公開日
2026/10/16
更新日
2026/10/16

学校日記

10月16日(金)、文化祭の最後を飾ったのは、吹奏楽部による演奏でした。


演奏が始まると、体育館は大きな歓声と拍手に包まれました。曲に合わせて盛り上がる生徒たち。ステージの上でも、観客の声援に応えるように、部員たちが生き生きと演奏していました。その光景を見ながら、改めて感じたことがあります。


北稜中学校の生徒たちは、本当にお祭りが大好きです。さすが、日本三大祭りの一つ、天神祭のお膝元。しかし、ただ盛り上がるだけではありません。聴くべきところでは静かに耳を傾け、盛り上がるところでは思い切り盛り上がる。その切り替えの素晴らしさにも感心しました。


この2年間、吹奏楽部は本当に多くの場所で演奏してきました。天神祭では花火が打ち上がる前に演奏し、大阪・関西万博でも演奏の機会をいただきました。シンフォニーホール、金蘭会高校、区民センター、そして地域のお祭り「すっきゃねん滝川」。どの会場でも、「大人数で素晴らしい演奏ですね」と、多くの方々からお褒めの言葉をいただきました。校長として、いつも誇らしく感じていました。


しかし、私は今日の演奏が、この2年間で一番素晴らしかったと思っています。なぜなら、今日の観客は、同じ北稜中学校の仲間たちだったからです。


毎日同じ学校で過ごす仲間が、ステージの上で一生懸命演奏している。その姿を、客席の仲間たちが心から応援する。そして演奏する側も、その声援に応えようと精いっぱいの演奏を届ける。そこには、演奏する人と聴く人が一緒になって、一つの空間をつくり上げる姿がありました。


私はこれまで、全校集会などで「エンパシー」という言葉を繰り返し伝えてきました。


学校の外で演奏するとき、聴いてくださった方々から「すごい!」「かっこいい!」「感動した!」と、たくさんの言葉をいただきます。演奏を聴いて心が動く。そうした共感は、シンパシーに近いものです。もちろん、これも本当にありがたい、大切なものです。しかし、今日の演奏には、それとはまた違った素晴らしさがありました。それが、エンパシーです。


エンパシーとは、相手の立場に立って、その気持ちを想像すること。


「ステージに立っている友達は、きっと緊張しているだろうな」
「今日まで、どれだけ練習を重ねてきたんだろう」
「もし自分があそこで演奏していたら、仲間がこんなふうに応援してくれたら、どんなにうれしいだろう」


毎日同じ学校で過ごしている仲間だからこそ、想像できる気持ちがあります。そして、その思いがあるからこそ、盛り上がるところでは思い切り盛り上がり、静かに聴くところでは、しっかりと耳を傾ける。自分が楽しむだけではなく、演奏している仲間にも、最高の時間を届けようとする。今日の体育館には、そんなエンパシーがあふれていました。


だからこそ、私は今日の演奏が、この2年間で一番素晴らしかったと感じたのです。それは吹奏楽部の皆さんだけでなく、客席にいた北稜生全員でつくり上げた、最高の演奏だったと思います。


吹奏楽部の3年生にとっては、体育大会での演奏を残すものの、一つの大きな節目となるステージでした。これまで、学校の内外で素晴らしい音楽を届けてくれた吹奏楽部の皆さん、本当にありがとう。そして、今日の演奏を最高のものにしてくれた全校生徒の皆さんにも、心から感謝します。


さて、今日は展示作品もじっくりと見せてもらいました。一つひとつをここで紹介することはできませんが、どの作品にも、生徒たちが授業や日頃の活動の中で積み重ねてきた努力や工夫が詰まっていました。丁寧に仕上げられた作品、自由な発想が光る作品、じっくり考え抜いたことが伝わってくる作品。そこには、一人ひとりの個性や感性、そして学びの足跡が表れていました。


実は、来週、私の中学3年生の娘の文化祭があります。しかし、私も学校がありますので、残念ながら見に行くことができません。今日、皆さんの作品を見ながら、「うちの娘も、きっとこんなふうに頑張って作品をつくっているんだろうな」と、そんなことを考えていました。


作品の向こうには、それをつくった一人ひとりの姿があります。完成した作品を見るだけでなく、そこに込められた思いや、完成までの努力に想像を巡らせることも、またエンパシーなのだと思います。


昨日の合唱コンクールから今日の文化祭へと続いた、この2日間。合唱では、どのクラスも仲間と声を合わせ、一つの音楽をつくり上げていました。順位はつきますが、賞を取ったクラスだけが素晴らしかったわけではありません。どのクラスにも、そこに至るまでの物語がありました。


歌う人、演奏する人、作品をつくる人。そして、それを聴き、見て、応援する人。表現の形は違っても、思いを届ける人と受け止める人がそろって、初めて文化祭は完成します。この2日間、学校のあちこちで、仲間の頑張りを認め、心から応援する姿が見られました。


次はいよいよ体育大会です。この2日間で見せてくれた団結力と、仲間を思いやる力は、きっと次の舞台にもつながっていくはずです。


私は、北稜中学校を、大阪一、日本一と言われる学校にしたいと思っています。それは、賞の数で決まるものではありません。互いの違いを認め、仲間の頑張りを喜び合い、困っている人には手を差し伸べる。誰もが「明日も来たい」と思える学校。この2日間の皆さんの姿に、その学校へ確かに一歩近づいたと感じました。


歌声を、演奏を、作品を、そして仲間を大切にする心を、ありがとう。


北稜中学校の校長であることを、心から誇りに思います。


2026年10月16日
大阪市立北稜中学校
校長 神 山 卓也


キーワード:北稜中学校、学校日記、文化祭、吹奏楽部、合唱コンクール、展示作品、エンパシー、体育大会