大阪市立北稜中学校

2年学年集会 多数派と少数派を考える

公開日
2025/12/18
更新日
2025/12/18

学校日記



本日、2年生の学年集会を行いました。
きょうは、2年生の学年主任の先生からお話がありました。

先生は、自身がセントルシアという国に2年間住んでいた経験を紹介しました。

青年海外協力隊として現地に赴き、子どもたちに英語で理科を教えていたそうです。
セントルシアは、基本的に黒人の人々が多い国です。
お互いに「珍しい存在」ではあるものの、大人たちは日本車を通じて日本を少し知っており、
子どもたちはゲームやアニメを通じて日本との接点があるなど、興味深いエピソードが語られました。
一方で、現地の先生から真顔で「日本には忍者がいるんでしょ?」と聞かれたことなど、思わず笑ってしまうような場面も紹介されました。

しかし、楽しい話だけではなく、考えさせられる出来事もあったといいます。

「日本人は魚を生で食べる」と聞いた現地の人に、本当に嫌そうな顔をされ、文化を否定されたようで嫌な気持ちになったこと。
街を歩いていると、「イエロー!」と呼ばれ、腹が立ったこと。
言い返すと「だって君はイエローでしょ?」と返され、自分たちとの感覚の違いを強く感じたこと。
セントルシアでは、10万人ほどの人口に対し、日本人は当時10人ほど。
少数派として、いやな思いは様々あったそうです。

先生は、「こうした構図は、日本でも、そして北稜でも起こりうる」と話しました。
ここでは日本人が多数派であり、多数派は少数派に対して、驚くほど無神経になってしまうことがある。
そのことに気づけるかどうかが大切だと、メッセージが送られました。
さらに、「日本人は親切」という言葉についても触れられました。
世界に出てみると、どこの国にも親切な人はたくさんいて、日本だけが特別に親切というわけではないこと。
「日本は親切だ」と胸を張って言えるのは、日本の中で自分たちが“多数派”だから見えなくなっている面もあるのかもしれない——と、振り返りを促しました。
最後に先生は、クラスでも学年でも、自分の発言や態度が無神経になっていないか、一人ひとりに改めて確認してほしいと呼びかけました。

集会の終わりには、2年1組の学級委員からもお話がありました。
2学期の登校日もあと4日となりました。
宿題をコツコツ進めて、よい冬休みを迎えられるようにしましょう、というメッセージで学年集会を締めくくりました。


キーワード:2年生、学年集会、セントルシア、多数派と少数派、人権、ステレオタイプ、冬休み

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